[P-096-C] ある腎細胞がん患者におけるAxitinib副作用モニタリングの振返りと今後の薬歴記載検討事例
【目的】
抗がん薬の副作用はしばしば治療の妨げとなるが、がん患者の調剤が大半である中、多くの医薬品・薬歴情報の中から一件ずつ最適な部分を取揃えて服薬指導に臨む事の困難さと不安を感じている。そこで、ある患者の薬歴を見直し副作用モニタリングにどの様に臨むべきかを検討したので報告する。【患者背景】
60代女性。腎細胞がん。入院中からAxitinib 6mg/日治療、手足症候群対策でヘパリン類似物質ローション使用。20XX年11/2退院後初来局。
【経過】
11/24 血圧上昇でアムロジピン5mg開始、12/15 肝機能悪化でAxitinib休薬、PSL30mg内服開始、翌年1/5Axitinib同量再開、1/19 K+値上昇でポリスチレンスルホン酸Caゼリー開始、1/26 口内炎でアズノールうがい液Ⓡ開始、2/7 睡眠不良でレンボレキサント追加等、3/9 来局時「体がきつい」ためAxitinib休薬と聞取るまで泌尿器科と内科14枚の処方箋調剤時薬剤師6名が12回服薬指導を行った。何れもその回の処方内容の服薬指導やPSLの減量確認が主でより能動的なフォローアップはなかったため、当患者の来局毎に順次偏りなく確認するために同年5月に検討しAxitinib副作用チェックリストを作成した。
【考察】
適正使用ガイド記載副作用に「高血圧・心不全・血栓塞栓症・出血・手足症候群・下痢・疲労」等があるが、当該薬歴では「高血圧」「肝機能悪化」「手足症候群」に関わる記載に偏っていた。また薬歴記載の「肝機能悪化」「口内炎」「睡眠障害」「体がきつい」については電話での聞取りでより早い対処に繋げられた可能性が考えられた。当薬局の電子薬歴画面で一見できるのは過去3回分のみで短時間に情報を把握し難く多人数によるモニタリングの効率性や連続性が課題と考えられる。今回の検討を踏まえたチェックリストにより薬剤師が協働し服薬指導後のフォローアップを充実させ偏りない副作用モニタリングをしていきたい。
抗がん薬の副作用はしばしば治療の妨げとなるが、がん患者の調剤が大半である中、多くの医薬品・薬歴情報の中から一件ずつ最適な部分を取揃えて服薬指導に臨む事の困難さと不安を感じている。そこで、ある患者の薬歴を見直し副作用モニタリングにどの様に臨むべきかを検討したので報告する。【患者背景】
60代女性。腎細胞がん。入院中からAxitinib 6mg/日治療、手足症候群対策でヘパリン類似物質ローション使用。20XX年11/2退院後初来局。
【経過】
11/24 血圧上昇でアムロジピン5mg開始、12/15 肝機能悪化でAxitinib休薬、PSL30mg内服開始、翌年1/5Axitinib同量再開、1/19 K+値上昇でポリスチレンスルホン酸Caゼリー開始、1/26 口内炎でアズノールうがい液Ⓡ開始、2/7 睡眠不良でレンボレキサント追加等、3/9 来局時「体がきつい」ためAxitinib休薬と聞取るまで泌尿器科と内科14枚の処方箋調剤時薬剤師6名が12回服薬指導を行った。何れもその回の処方内容の服薬指導やPSLの減量確認が主でより能動的なフォローアップはなかったため、当患者の来局毎に順次偏りなく確認するために同年5月に検討しAxitinib副作用チェックリストを作成した。
【考察】
適正使用ガイド記載副作用に「高血圧・心不全・血栓塞栓症・出血・手足症候群・下痢・疲労」等があるが、当該薬歴では「高血圧」「肝機能悪化」「手足症候群」に関わる記載に偏っていた。また薬歴記載の「肝機能悪化」「口内炎」「睡眠障害」「体がきつい」については電話での聞取りでより早い対処に繋げられた可能性が考えられた。当薬局の電子薬歴画面で一見できるのは過去3回分のみで短時間に情報を把握し難く多人数によるモニタリングの効率性や連続性が課題と考えられる。今回の検討を踏まえたチェックリストにより薬剤師が協働し服薬指導後のフォローアップを充実させ偏りない副作用モニタリングをしていきたい。