第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-099-C] 低用量アスピリンとCOX阻害薬の併用状況調査

松原 千明, 平野 徹, 近藤 隆瑛, 細田 雄一朗, 浅貝 健介, 西口 宏一, 大久保 春輝, 辻 涼平, 中原 尚美, 中江 貴彦, 伊藤 達章, 平原 慎太郎 ((株)アカカベ)

【目的】
低用量アスピリンと多くのNSAIDsはCOX阻害という同一の作用機序を有し、併用によりアスピリンの抗血小板作用が減弱する可能性が考えられる。本研究では複数の病院からの処方内容を調査対象とし薬局における処方薬剤の一元管理という視点から低用量アスピリンとCOX阻害薬の併用状況を明らかにする。
【方法】
各研究実施薬局にて3か月間に低用量アスピリンの調剤を受けた全患者のうち、低用量アスピリンの処方医または別の医師からCOX阻害薬が処方されている患者について処方されているCOX阻害薬を調べた。
【結果】
期間内に低用量アスピリンの処方を受けた患者は540人であった。そのうち低用量アスピリンの処方医と違う医師からCOX阻害薬の処方を受けた患者は29人(5.4%)であり、ロキソプロフェン15人、アセトアミノフェン5人、セレコキシブ8人、ジクロフェナク1人、イブプロフェン4人であった。低用量アスピリンの処方医からCOX阻害薬の処方を受けた患者は53人(9.8%)であり、ロキソプロフェン24人、アセトアミノフェン20人、セレコキシブ5人、ジクロフェナク4人、エトドラク1人であった。また、薬歴に低用量アスピリンとCOX阻害薬の併用に関する指導記録があった件数は0件だった。
【考察】
低用量アスピリンの処方医と別の医師から、添付文書に併用注意の記載があるイブプロフェンの処方があった。短期間の処方や頓用であれば抗血小板作用に大きな影響はないが、継続使用の場合は低用量アスピリンの処方医への情報提供や相互作用について患者指導を行うことが薬剤師の重要な役割と考える。最も併用件数の多かったロキソプロフェンと低用量アスピリンとの薬力学的な相互作用に関して添付文書に記載はないが、非選択的COX阻害作用を有するため相互作用があると仮定した指導が必要ではないだろうか。薬理学的な視点から処方や併用薬を評価し、患者の不利益を回避するような服薬指導をできるのが理想である。