第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:00 PM - 2:40 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-128-B] 高齢者施設入居者における長期服用薬の見直しについて

梅澤 直子1, 元林 由里1, 石原 万己1, 畑田 千恵1, 蓮 伸一郎2, 田口 晃史2, 林 将之2, 近藤 貴佳子2, 横山 知広3, 沖田 光政4, 通山 晶子5, 森田 奈央美6, 舩路 浩平1, 中嶋 英喜7 (1.I&H(株)調剤介護連携部, 2.阪神調剤薬局 阪神センター店, 3.門真店, 4.京阪大和田店, 5.新大阪店, 6.守口店, 7.医療法人 協和会 協和マリナホスピタル)

【目的】
高齢者施設入居者は、入居前の処方を継続されている場合が多い。食事・生活習慣等が家庭にいる時より改善されているケースがあるため、副作用防止、服用の負担、ケアの負担の軽減を目的として服用薬剤の見直しを行うこととした。
【方法】
2022年8月時点で、高齢者施設に入所半年以上経過し、内科を受診し内服薬を服用している85名を対象に、生活習慣病治療薬中心に減薬を検討した。薬剤師から主治医に減薬の可能性がある薬剤を提案し、主治医の判断により10月服用分から処方変更を実施し、4か月間経過観察を行った。
【結果】
内科を受診し内服薬を服用している対象85名のうち、76名が減薬となった。減薬後定期薬がなくなった患者は13名、2種類以上減薬した患者は60名、6種類以上服用していて2種類以上減薬した患者は33名であった。また減薬前の薬剤数は平均5.0種類であったが、減薬後は2.4種類に減少した。減薬後4カ月間において、減薬した患者で体調・症状の悪化、脳・心血管系、骨折、血栓症等イベントは発生していない。一部、服用再開になった患者はいるが、大半の患者は中止を継続できている。
【考察】
超高齢社会において、服用薬の見直しを行うタイミングは決まっていない。今回施設入居によって栄養状態の改善・生活のケアが行き届いた患者の服用薬剤を見直した結果、今まで必要だった薬剤も不要になることがあるとわかった。今後も継続して患者の健康状態を精査する必要はあるが、減薬は患者の健康維持、服用やケアの負担軽減につながると考えられる。超高齢社会の介護現場において他施設の入居者でも同様の状態の可能性がある。そのため定期的に服用薬剤の見直しを行うことが必要であると考えられる。