第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-168-C] 先発希望患者への後発品アプローチとしてのAG1の提案、それに対する患者の意識調査

杉本 有輔 ((株)龍生堂本店 龍生堂薬局 ワセダ東店)

【目的】
オーソライズドジェネリック(AG)は先発医薬品と添加物や原薬、製造方法が同一の後発医薬品であり、先発品と同等の安全性が担保されている。しかし、まだ認知度が低く後発医薬品というだけで拒否する患者も散見される。また、厚生労働省発表の後発使用率も近年は非常に小さい上昇率となっておりこのままでは頭打ちになるおそれもある。AGの認知度を上げることで後発医薬品の使用率上昇を目指す。
【方法】
来局患者の中でも先発希望、AGが存在する医薬品の処方出ている方を対象にアンケートを実施。実際の認知度や使用の意思について調査をおこなった。
【結果】
アンケートの結果、当薬局来局患者のAGに関しての認知度は29%であったが、その全てが薬剤師からの説明によるものであり、医師からの説明は受けたことがある人はいなかった。また、後発品の中でもAGなら使用してもよいという患者も含めて、94%の方は使用の意思が見られた。このような患者に積極的に説明、提案を行いAGに変更してもらうことで月次の全体の後発使用率については2023年1月85.57%から4月86.48%と上昇傾向となっている。
【考察】
近年の度重なる後発品メーカーの不祥事や、コロナウイルスに伴う安定供給の不安定さから近年の後発使用率の上昇幅が小さく頭打ちの傾向にあると考えられる。今回の調査から、患者が真に求めているものは安全性と信頼であり、負担割合の減る高齢者ほど値段が安くなるメリットを感じていないことが分かった。そのなかでAGは先発メーカーやその子会社が同じ工場の製造ラインで生産している場合が多く、そういった患者の心理的ハードルを越えやすいものであり、そこに後発使用率の上昇の鍵があると感じた。医師から説明されることも少ないこともあり、薬剤師からの説明に耳を傾ける患者も多かった。AGは患者のニーズを全て満たせるものであるので今後も積極的な提案、案内を行っていく。