第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:00 PM - 2:40 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-170-B] 糖尿病患者に対するフットケア啓発の取り組み

山下 貴大1, 武藤 拓也2, 前田 美希3, 森山 綾香4, 吉原 菜々美5, 坂田 康高6 (1.総合メディカル(株)そうごう薬局 田原坂店, 2.立願寺店, 3.荒尾店, 4.有明長洲店, 5.菊池店, 6.熊本北ブロック)

【目的】
糖尿病患者は神経や血流の障害により足病変を起こしやすく、感染症にも罹患しやすいため、糖尿病専門の病院ではフットケアの指導が行われているが、一般内科などにおいては十分な指導が行われていない状況がある。そこで我々は、来局する糖尿病患者に対し、フットケアの啓発活動を行った。今回はその取り組みの成果について報告する。
【方法】
2022年4月~6月に、そうごう薬局9店舗に来局した糖尿病患者に同意を得て、待ち時間にリーフレットを用いてフットケアの意義・確認方法を説明し、足病変の有無をチェックシートで確認した。足病変の疑いがある場合は同意を得て医師に報告した。また、期間内に再来局した患者にはフットケアの状況を確認した。
【結果】
期間中、60名の糖尿病患者(一般内科47名、糖尿病内科3名、胃腸内科10名)に情報提供を行った。その際、フットケアという言葉を知っていたのは12名、何らかのフットケアを行っていたのは9名であった。情報提供後、足の観察を行っている患者は3名から18名に増加した。また、チェックシートを用いた52名のうち33名は無症状だったが、しびれや感覚異常4名、感染・炎症の疑い2名おり、そのうち2名について医師に報告した。患者からは、フットケアの具体的なポイントが分かって良かった、爪白癬をきちんと治療したい等の反応があった。
【考察】
フットケア指導は糖尿病合併症を予防する上で重要であるが、専門医以外のクリニック等では広く患者に周知されていないことが示唆された。今回の薬局の取り組みにより、足病変を早期に医師に伝達したり、患者に自宅での足の観察に関心を持たせるきっかけに繋がったことから、薬局が継続して糖尿病患者に指導することが重要であると考察した。