第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-171-C] 一般用医薬品の販売記録を用いた解熱鎮痛薬におけるOTCプレアボイドの実態調査

鈴木 伸悟1, 西井 涼香2, 勝俣 水稀1, 藤田 勝久1, 田坂 祐一2 (1.(有)ウインファーマ, 2.就実大学薬学部 臨床薬学研究室)

【目的】
一般用医薬品(以下OTC)の解熱鎮痛薬は、解熱鎮痛成分のみを配合した単剤だけでなく配合剤も多く販売されており、アリルイソプロピルアセチル尿素等の鎮静成分含有の配合剤では、眠気に注意し、服用後の運転が禁忌となることなど情報提供及び適正使用が求められる。こうしたOTC販売に薬剤師が直接関与し、薬学的見地から副作用等の不利益を回避する介入(プレアボイド)の実態は十分に明らかとなっていない。そこで本研究では、OTCのうち解熱鎮痛薬販売時の薬剤師関与の実態を把握することを目的に、OTCの販売記録を後方視的に解析した。
【方法】
本研究では、2022年11月1日から2023年4月30日のウイン調剤薬局横浜西口店におけるOTCの販売記録を解析した。販売記録は「販売日」「希望した商品名」「販売した商品名・受診勧奨内容等」「対応した理由・根拠」等の10項目が含まれ、OTC販売には全例で薬剤師が関与している。なお、本研究は就実大学・就実短期大学 教育・研究倫理安全委員会の承認を得て実施した。
【結果】
来局者が特定の解熱鎮痛薬の購入を希望した「商品指名」は239件であり、そのうち単剤の選択が137件(57.3%)、配合剤の選択が102件(42.7%)であった。一方、薬剤師が来局者の相談に応じて薬剤を選択した場合では、単剤の選択は59件(90.8%)、配合剤の選択は6件(9.2%)であり、商品指名時に比べ有意に単剤を選択する割合が高かった。また、商品指名時の鎮静成分含有薬剤の選択は64件(26.8%)あり、そのうち9件が禁忌(服用後の運転)に該当する、眠気が日常生活の支障となる等の理由から薬剤師の介入により単剤に変更された。
【考察】
本研究により、OTCのうち解熱鎮痛薬の商品指名購入では約25%で鎮静成分含有の商品が選択されること、薬剤師が来局者の生活習慣の確認等を通じた適正使用やQOL向上に寄与していることが明らかとなり、鎮静成分に着目したOTCプレアボイドの重要性が示唆された。