第17回日本薬局学会学術総会

Presentation information

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-174-C] 登録販売者が認知行動療法的アプローチによる健康支援を可能とするオンライン型研修プログラムの開発~WAIによる評価~

田沼 和紀1, 前田 初代2, 梅田 そよか2, 福山 莉加2, 渡邉 文之2 (1.(株)カメガヤ(フィットケアデポ), 2.日本大学薬学部)

【目的】
本研究は登録販売者(登販)が来店者に対して認知行動療法的アプローチ(CBT-A)による健康支援を実施可能とすることを目的としたオンライン型研修プログラムの開発である。【方法】
研修プログラムは、事前にCBT-Aの導入部分をオンデマンド配信による事前学習用として作成したVTR(30分/本×3本)を受講してもらい、研修当日にはZOOMを用いて「事前学習内容の復習」および「考えと気分の切り分けの練習」を行い(1時間)、その後模擬相談者(相談者)に対する相談対応のロールプレイング(ロープレ)(2時間)によるオンラインライブ研修を行った。研究デザインは前後比較とし、研修前後にZOOMを用いて相談者に対するロープレを行い、登販及び相談者に各種満足度、Working Alliance Inventory(WAI)の治療同盟度(同盟度)及び心の乖離度を用いて評価を行った。【結果】
登販の内訳は男性13名女性10名で、勤務年数は6.4±5.3(平均±SD)年であった。事前学習用VTRの満足度及びオンラインライブ研修の満足度はほとんどの項目において肯定的な回答だった。相談者の前後比較では同盟度の「課題の一致」、「絆の形成」及び「目標の一致」は有意に向上し満足度では「応対」、「変容」及び「満足度」が有意に向上した。登販の前後比較では同盟度は全ての項目で差は見られず、満足度では「変容」及び「満足度」は有意に向上した。登販と相談者の心の乖離度は全ての項目において差は見られなかった。
【考察】
本研修プログラムは、相談者の結果から登販にCBTのエッセンスを理解させ、健康支援に必要なコミュニケーションスキルを向上させる可能性が示された。一方、登販の同盟度に差が見られなかった。これは研修後のロープレで患者の考えや気分を正しく理解できていたか自信が持てず自己評価が低くなったことが要因として推察された。