第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-180-C] マイサイズを用いた薬局環境と販売状況の関係調査および栄養部による介入効果の検証

稲田 雅彦1, 村上 阿津子2, 栗田 明宙3 (1.(株)アップルケアネット アップル薬局 内郷店, 2.栄養部, 3.薬事部)

【目的】
弊社では患者への食生活提案の標準化のために栄養部による販売推奨品の選定を行っている。推奨品のうち最も採用店舗の多いマイサイズについて、処方箋応需の環境や社員の認知度等の要因がどのように販売状況に関連するか調査を行い、栄養部が社内に向けて介入を行った際の効果を検証した。
【方法】
全店の売上管理表(2021.11~2022.10)よりマイサイズの販売状況を調査。薬局情報収集と意識調査は2023.1に店舗代表者にWebアンケート(調査項目:マイサイズの認知度、味・利便性・機能面など利点の評価 他)を実施して販売状況との関連性を調べた。栄養部の介入として2023.2に販促資料配布とWeb研修を実施し、翌月再度アンケートにて回答内容の変化を調査した。
【結果】
調査期間中にマイサイズは全31店舗中25店舗で販売され、減塩・高タンパク・糖質吸収抑制の機能をもつ調剤薬局限定品の売上は約半数を占めた(1,948個/3,783個)。立地環境の比較では減塩・糖質吸収抑制は内科クリニック門前で売上が多く、高タンパクは内科以外のクリニック門前で売上が多かった半面、病院門前ではいずれの売上も最小となった。来局患者層の比較では高齢者割合が50~75%を占める店舗で減塩・糖質吸収抑制の売上が多かった。アンケート結果による比較ではマイサイズの利点を全7項目中3項目以上評価した群が2項目以下の群より有意に売上が多かった(P<0.05)。栄養部介入後の再アンケートでは回答した全店から健康意識が高まったと回答があり、マイサイズ利点の回答数も有意に増加した(P<0.05)。さらに健常人の食塩摂取目標量の適正回答割合も介入前40.0%(12/30)が81.3%(13/16)に上昇した。
【考察】
薬局の立地環境による販売状況の違いは基礎疾患や院内の栄養指導有無等に影響されたと示唆される。商品の認知が患者への推奨に繋がり、介入を行えば社員の認知向上に繋がることが調べられたため、今後も適切な食生活提案を行えるよう社内で協働した取組を行いたい。