第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2023年10月9日(月) 14:00 〜 14:40 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-185-B] 薬局における経腸栄養剤の使用実態調査と薬局薬剤師の栄養ケア介入への課題

寺田 大輝 (龍生堂薬局 大久保店)

【目的】
栄養摂取の必要性周知及び経管経静脈栄養法の進展により薬剤師の栄養管理への関与は今や必須である。しかし経腸栄養剤(Oral Nutrition Supplements;ONS)の使用実態把握、細かな指導は軽視されることが多い。本研究ではONSの使用実態調査から薬剤師の栄養介入への課題を検証する。
【方法】
対象は龍生堂薬局22店舗でONSを調剤、購入した患者とし、2023年3月~4月の期間で、ONSの使用状況、使用経緯、満足度、使用上の工夫、相談経験、継続に必要な要素について無記名アンケート調査を実施した。
【結果】
55名から回答を得た。ONS開始理由は医師の勧めが最も多く、加えて低栄養、体重・食欲・食事量減で88%を占めた。実際の服用量は処方量とほぼ一致した。71%がONSに満足し、継続を希望した。ONSが飲みづらいと回答した理由は味に関する回答が多く、76%は服用上の工夫をしており、分服・温める・冷やす等の簡便な工夫が多数を占めた。65%の患者がONSについて相談したいと回答した一方で、その経験がある患者は36%に留まり、相談職種は医師、次いで薬剤師と看護師であった。食品ONSは71%に使用経験がなく、使用したいと回答した患者はいなかった。ONS継続に必要な要素は少量高栄養、味、医療者の説明という回答が多かった。
【考察】
患者の多くはONSに関する相談の希望はあるがその経験がないと回答しており、服薬指導が不十分であることが示唆された。薬剤師は相談対象として医師、看護師と並び患者行動の鍵となる存在であることが示された一方、ONS開始理由の多くが医師の処方や身体所見の変化即ちフレイル後の介入であり、食品ONSの認知度からも、プレフレイル期からの自発的栄養ケアは十分に確立していないといえる。患者と長く関係性を構築でき、ONSを取扱い、その特性に精通する薬剤師が、栄養療法の担い手の意識を持ち医師や他職種と協業して早期から栄養摂取の必要性を啓発し行動していく必要がある。