第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-213-C] 健康サポート薬局としての活動が処方箋枚数を増加させた事例

大川 誠也, 高橋 沙衿 (黒石薬局)

【目的】
年々保険調剤薬局の経営は厳しい状況となっている。要因として(1)薬価改定による薬価差益の減少、(2)処方の長期化による処方箋枚数の減少がある。薬局の経営は処方箋から得られる技術料と処方された薬剤の公定価格と卸価格の差である薬価差益であり、処方箋枚数が減少すること=経営悪化となる。逆を言えば処方箋をどれだけ多く獲得できるかが薬局として生き残れるかの基準となる。処方箋発行率も横ばいであり、調剤薬局に持ち込まれる処方箋は減少し、経営的にも難しい状況が今後一層予想される。そういった中、健康サポート薬局としての強みを生かしたことで処方箋枚数を増加させてきた事例を挙げ、生き残るために何をするべきかの一助となる目的で報告する。
【方法・対象】
処方箋を獲得する目的として、健康教室などでかかりつけ薬局について積極的に紹介。健康サポート薬局に伴う地域での講演活動にも参加し顔が見える薬剤師として知ってもらう活動を行った。
【結果】
検討対象期間をして健康サポート薬局となった2018年を基準とし、処方箋枚数について、2021年では近隣医療機関からの処方箋枚数は0.95と減少したが近隣以外の処方箋枚数は1.6と増加。集中率については85%だったものが72%まで低下、地域や行政主催講演会への講演依頼件数も増加、薬局での健康相談なども増えOTC販売額も増加した。
【考察】
健康サポート薬局だからこそ得られる地域住民や行政との接点から処方箋を呼び込む方法は国が考える地域住民の健康を薬局がサポートするという理念とマッチしており、実際に近隣医療機関以外の処方箋を持って来てくれた方は地域の方や、講演を聞いて来局してくれた方も多かった。以上のことから今後薬局を維持していくため健康サポート薬局となり地域住民や行政とも連携を強めることが非常に有意義であると考察される。