第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:00 PM - 2:40 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-227-B] 地域薬局患者のHRQoLと患者属性の関係~HRQoLが低下した患者を見つける手がかり~

酒井 聡希1, 篠原 優奈1, 古澤 玖希1, 堀井 徳光1,2, 吉田 暁1, 高橋 直仁1, 三ヶ田 潤哉1, 武藤 香絵1, 大島 新司1, 井上 直子1,2, 大嶋 繁1,2, 小林 大介1,2 (1.城西大学薬学部, 2.城西大学薬局)

【目的】
地域薬局患者のHRQoL(Health-related QoL)を改善することは、地域薬局薬剤師の役割である。これまでに日本の地域薬局患者のHRQoLの実態は調べられていない。また、どのような患者属性がHRQoLに影響を与えるか不明である。本研究の目的は日本の地域薬局患者のHRQoLの実態を調査し、患者属性とHRQoLとの関係を検討することである。
【方法】
2022年4月22日から同年4月28日、慢性疾患で地域薬局を定期的に利用する患者1500名(20~79歳、男女比1:1)に対してインターネットアンケートを行った。 HRQoL測定にはEQ-5D-5Lを用いた。EQ-5D-5LはHRQoL値を0~1.00で算出できる。また、HRQoLに影響する可能性がある使用医薬品数、医薬品使用年数、罹患している慢性疾患数、罹患する慢性疾患に対する重症度の認識および、薬物治療の必要性の認識を調査した。HRQoLと属性の関係を検討するため、ロジスティック回帰分析および決定木分析を実施した。
【結果】
地域薬局患者のHRQoL平均値は0.856であった。使用医薬品数6剤以上のポリファーマシー患者のHRQoLは0.781であり、さらに疾患重症度認識が加わると0.747まで低下した。ポリファーマシーでない場合でも、20代でかつ、罹患疾患数が2以上の多病罹患となると0.721まで低下した。
【考察】
年齢、ポリファーマシー、多病罹患、疾患重症度認識が地域薬局患者のHRQoLに影響していた。これらの要因が、地域薬局患者に対して、精神的、身体的もしくは社会的な負担に繋がった結果、HRQoLが低下したと考える。今後、地域薬局薬剤師は、これらの属性を有する患者のHRQoLを高める介入方法を検討することが必要である。