第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-228-C] 地域薬局で実践するPharmaceutical Careに関する文献レビュー

土井 萌1, 堀井 徳光1,2, 吉田 暁1, 高橋 直仁1, 三ヶ田 潤哉1, 武藤 香絵1, 大島 新司1, 井上 直子1,2, 大嶋 繁1,2, 小林 大介1,2 (1.城西大学薬学部, 2.城西大学薬局)

【目的】
Pharmaceutical Care (PC)は薬剤師の行動哲学である。日本の地域薬局でPCを進展するためには、まずPCに関する知見を包括的に理解することが重要である。本研究の目的は、これまでの地域薬局薬剤師によるPCに関する文献レビューを通じて、地域薬局におけるPC介入の対象、内容およびアウトカム指標を含めた実態を明らかとすることである。
【方法】
検索には、PubMedを用いた。タイトル、アブストラクトに ("community pharmacy") AND ("pharmaceutical care")を含む文献のうち、言語が英語でかつ、Full Textを入手可能な論文を検索した。そのうち、「地域薬局において薬剤師がPCを実践している」および、「介入対象、介入内容およびアウトカム指標が明確である」論文を研究対象とした。
【結果】
検索された298報のうち、研究対象は62報であった。日本からの報告は2報であった。アウトカム指標は、QoLに限らず、近年は患者満足度や患者知識等の患者中心のアウトカム指標が複数報告されていた。介入内容で多かったものは、カウンセリング(17報)、次いでフォローアップ(12報)、コンサルテーション(8報)であった。介入対象疾患として多かったのは、喘息(12報)、次いで糖尿病(10報)であり、疾患を限定しない患者群への介入も9報あった。
【考察】
本調査によって、地域薬局薬剤師によって実践されているPCについて包括的な知見が得られた。日本からの報告が少ないのは、諸外国に比べ患者のフォローアップやカウンセリングの実践が少ないことに起因すると考えられる。薬機法においてフォローアップが義務化されたことを考えると、今後、喘息や糖尿病などの慢性疾患患者へのフォローアップを実践することにより、日本におけるPCの進展が期待できる。