第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2023年10月9日(月) 14:00 〜 14:40 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-230-B] 医薬品回収の実態調査~後発医薬品の信頼性向上のための課題について~

田中 里佳1, 小林 江梨子2, 成川 衛3, 佐藤 信範1 (1.千葉大学大学院薬学研究院 社会薬学, 2.城西国際大学薬学部 社会薬学, 3.北里大学薬学部 医薬開発学)

【目的】
最近では、健康面、供給面で信頼性を損なう恐れのある後発医薬品の回収事例が発生しており、医療従事者に限らず患者の後発医薬品に対する信頼度に影響していると考えられる。そこで本研究では、医薬品回収件数の経時的推移を調査することによって現在の医薬品回収の実態を明らかにし、後発医薬品の信頼性向上、使用促進のための課題を検討することを目的とした。
【方法】
2018年4月1日から2022年9月30日までに、クラス1、クラス2、クラス3として回収された医療用医薬品を対象とした。(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)のwebサイトに掲載されている回収情報をクラス、品目、剤形、薬効、回収理由、製造販売業者ごとに分類し、年度ごとに集計解析を行った。
【結果】
2018年度から2021年度まで、回収件数の合計は毎年増加していた(2018年度:111件、2019年度:141件、2020年度:271件、2021年度:507件)。2022年度の上半期は64件の回収があった。回収件数全体のうちに占める後発医薬品の割合は2018年度から2021年度までに30.6%、41.1%、74.2%、91.1%と増加していた。安定性モニタリング等での承認規格外、承認書からの逸脱による回収が多くみられ、改ざんのため後発医薬品が2020年度に1件、2021年度に15件回収された。
【考察】
後発医薬品の回収増加の原因として、安定性モニタリング等での承認規格外、承認書からの逸脱による回収の増加がみられ、特に安定性モニタリング未実施や書類不備、改ざんなど製造・試験時、記録時の不適切な手順による回収は後発医薬品に特有の理由であった。このような回収の原因として、後発医薬品の使用割合の増加に伴い生産効率等が優先され品質確保がおろそかになっていた可能性、会社全体におけるコンプライアンス低下の可能性等が考えられる。回収件数の減少、後発医薬品の信頼性向上のためには、品質管理体制の整備、法令遵守と倫理の再教育を行う必要があると考えられる。