第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム3
「地域に根差した薬局店舗の新しい価値を創造する~地域医療機関と かかりつけ薬局の新しい形を模索する~」

2023年10月8日(日) 14:40 〜 16:10 第2会場 (3号館3階 国際会議室)

オーガナイザー兼座長:鈴木 匡(名古屋市立大学薬学部薬学科 臨床薬学教育研究センター 教授)),副座長:髙尾 雅春(協和ケミカル株式会社 顧問 人材開発部/名古屋市立大学大学院薬学研究科 臨床教授)

[SY3-1] 地域に存在感を放つ薬局、住民から愛される薬剤師を目指して―店内スペースでの継続的健康イベントが地域に及ぼす影響について―

供田 将志 (ウエルシア薬局株式会社 教育本部 薬剤師教育部)

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 2020年初頭から猛威を奮った新型コロナウイルス感染症により市民生活は大きく変わり、同時に薬局が求められる機能にも変化が起きた。薬局は感染不安を抱える市民に対し検査を行うなど、新型コロナウイルスと共に生きる新しい生活様式を支える役割の一端を担うこととなった。一方で、薬局に変わらず求められるものもある。それは「顧客(患者)の状況を聞き取り、個々に合った健康情報を提供する場」としての役割である。パンデミック状況下においていつ終わるともわからない不安な日々が続く中、人々の「健康に暮らしたい」という願いはより強くなり、これまで以上に健康相談を持ちかけられた薬剤師も多いことだろう。そして新型コロナ「5類」移行に伴い国民活動が活発になる今、取り残される者のいないよう、地域全体のセルフメディケーションをサポートできる薬局の存在が必要とされている。
 ウエルシア薬局では周辺住民が自由に利用できる地域協同コミュニティスペース「ウエルカフェ」を店舗内に設置し、地域活動を活性化するだけでなく、多くの測定会や健康イベントを開催することで、地域住民の健康維持・増進にも寄与してきた。演者もこれまでに「ウエルカフェ」において、地域住民に向けて様々な情報発信を行ってきた。またコロナ禍において、名古屋市立大学臨床薬学研究教育センターの鈴木教授の指導の下、定期的な健康イベントの開催における薬剤師によるロコモティブシンドローム予防指導、管理栄養士による栄養指導の実施が及ぼす、参加者の健康状態の改善、店舗意識度の変化についての研究活動を行った。
 本セッションではドラッグストアである当社が「ウエルカフェ」を用いて、どのように地域住民に対して健康寄与を果たしてきたか、前述の研究内容を含めいくつかの事例をあげて紹介する。演者はこれまでの活動を通して、薬剤師、登録販売者、管理栄養士など数多くの職種が務めるドラッグストアはセルフメディケーションの拠点として十分に機能しているという手ごたえを感じている。着実に進んでいる調剤業務のICT化、そして起こりうる医療用AIの導入など、薬局からの人離れが予想される未来において、セルフメディケーションの拠点として変わらず人々から求められる薬局、人々から支持される薬剤師の在り方というものを、皆様と共に探り議論するきっかけとなれば幸いである。