[AO-02] 薬局薬剤師のかかりつけ機能発揮が尋常性ざ瘡患者の外用薬使用継続に及ぼす影響
【目的】尋常性ざ瘡治療薬(アダパレン、過酸化ベンゾイル、アダパレン・過酸化ベンゾイル配合薬)は、その効果発揮までに3ヶ月以上の継続が必要である。そこで、これらの継続使用への薬局薬剤師のかかりつけ機能の影響を調査し、薬局薬剤師の果たすべき役割を考察した。
【方法】2018年1月~2023年12月に開局していた当グループ保険薬局616店舗の匿名加工レセプトデータを用い、2020年5月以降に対象薬剤が初回調剤された患者の使用継続期間(初回調剤日から最終調剤日または「ギャップ発生」直前の調剤日までの処方日数合計)を算出した。「ギャップ発生」は2023年12月31日までに前回処方日数の1.5倍以上経過後に次回調剤が生じた場合と定義した。なお、これらのメーカー作成の啓発資材より、1フィンガーチップユニット(約0.5g)を1日1回顔全体塗布とし、1本15gを30日分と換算した。結果は、使用継続期間のかかりつけ薬剤師の係る算定率で群分けし、50%以上をFP群、0%をNoFP群とした。傾向スコアマッチング(最近傍法、非復元1:1)で二群間の共変量(年齢、性別、対象薬剤、初回調剤年)を調整し、使用継続率をカプランマイヤー法及びログランク検定で、使用中断に係るハザード比をCox比例ハザードモデル(目的変数:使用継続期間、説明変数:FP群、年齢、性別、対象薬剤)で解析した(有意水準0.05)。(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0248)。
【結果】使用継続率はFP群(中央値90日)の方がNoFP群(30日)よりも有意に高く、FP群(ハザード比:0.29 [95%信頼区間:0.23-0.37])、年齢(0.99 [0.98-1.00])、女性(1.28 [1.06-1.56])に使用中断への有意な影響が見られた。
【考察】本研究から、薬局薬剤師のかかりつけ機能発揮が尋常性ざ瘡治療薬の使用継続を有意に延長することが示された。今後も薬局薬剤師はかかりつけ機能を発揮し、尋常性ざ瘡の治療継続に貢献することが重要である。
【方法】2018年1月~2023年12月に開局していた当グループ保険薬局616店舗の匿名加工レセプトデータを用い、2020年5月以降に対象薬剤が初回調剤された患者の使用継続期間(初回調剤日から最終調剤日または「ギャップ発生」直前の調剤日までの処方日数合計)を算出した。「ギャップ発生」は2023年12月31日までに前回処方日数の1.5倍以上経過後に次回調剤が生じた場合と定義した。なお、これらのメーカー作成の啓発資材より、1フィンガーチップユニット(約0.5g)を1日1回顔全体塗布とし、1本15gを30日分と換算した。結果は、使用継続期間のかかりつけ薬剤師の係る算定率で群分けし、50%以上をFP群、0%をNoFP群とした。傾向スコアマッチング(最近傍法、非復元1:1)で二群間の共変量(年齢、性別、対象薬剤、初回調剤年)を調整し、使用継続率をカプランマイヤー法及びログランク検定で、使用中断に係るハザード比をCox比例ハザードモデル(目的変数:使用継続期間、説明変数:FP群、年齢、性別、対象薬剤)で解析した(有意水準0.05)。(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0248)。
【結果】使用継続率はFP群(中央値90日)の方がNoFP群(30日)よりも有意に高く、FP群(ハザード比:0.29 [95%信頼区間:0.23-0.37])、年齢(0.99 [0.98-1.00])、女性(1.28 [1.06-1.56])に使用中断への有意な影響が見られた。
【考察】本研究から、薬局薬剤師のかかりつけ機能発揮が尋常性ざ瘡治療薬の使用継続を有意に延長することが示された。今後も薬局薬剤師はかかりつけ機能を発揮し、尋常性ざ瘡の治療継続に貢献することが重要である。