[AO-03] 患者と薬局薬剤師の「飲み忘れ」に対する認識相違について
【目的】治療効果の低下に繋がる「飲み忘れ」の解決に向けて薬局薬剤師の薬学的介入が求められるが、患者の服薬状況を客観的に判断できる情報の取得は難しい。現実的には患者聴取に頼らざるを得ないため、患者と薬局薬剤師との認識相違が情報共有に課題を生じる恐れがある。そこで、「飲み忘れ」に対する両者の意識調査を行い、情報共有における課題を検討した。
【方法】2024年5月に、当薬局へ生活習慣病治療薬を含む処方箋を持参した20歳以上の患者に対しては紙面で、当社グループ保険薬局の薬剤師には社内イントラネットで服薬状況の認識を調査した。「服用状況」を表す日本語表現(5段階、「完璧に服用できた」~「全く服用しなかった」)と、それに対応する服用率(11段階、0%~100%)について、患者は「前回受診から今回まで実状」を、薬剤師は「患者から服薬状況を聴取した際のイメージ」を回答した。結果は各群で集計し、日本語表現に対する服用率を有意水準0.05としたWelch’s t検定で統計解析した(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0243)。
【結果】患者131名、薬剤師334名の有効回答を得た。「服用状況」を表す日本語表現に対する服用率の平均値は、「完璧に服用できた(患者:97.1%、薬剤師:90.8%)」「ほとんど飲み忘れなし(92.8%、79.6%)」「飲み忘れあり(82.4%、66.3%)」で薬剤師の方が患者よりも有意に低かった。
【考察】本研究から、薬局薬剤師は患者から聴取した服薬状況を厳しく評価する傾向が示唆された。薬局薬剤師は、今回の研究にて明らかになった服薬状況に関する患者との認識差異を十分に理解し、より正確に患者から情報を聴取できるように客観的指標を用いたコミュニケーションなどに努めるとともに、多職種連携や薬局DX推進等による情報収集にも積極的に取り組んでいくことも重要と考える。
【方法】2024年5月に、当薬局へ生活習慣病治療薬を含む処方箋を持参した20歳以上の患者に対しては紙面で、当社グループ保険薬局の薬剤師には社内イントラネットで服薬状況の認識を調査した。「服用状況」を表す日本語表現(5段階、「完璧に服用できた」~「全く服用しなかった」)と、それに対応する服用率(11段階、0%~100%)について、患者は「前回受診から今回まで実状」を、薬剤師は「患者から服薬状況を聴取した際のイメージ」を回答した。結果は各群で集計し、日本語表現に対する服用率を有意水準0.05としたWelch’s t検定で統計解析した(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0243)。
【結果】患者131名、薬剤師334名の有効回答を得た。「服用状況」を表す日本語表現に対する服用率の平均値は、「完璧に服用できた(患者:97.1%、薬剤師:90.8%)」「ほとんど飲み忘れなし(92.8%、79.6%)」「飲み忘れあり(82.4%、66.3%)」で薬剤師の方が患者よりも有意に低かった。
【考察】本研究から、薬局薬剤師は患者から聴取した服薬状況を厳しく評価する傾向が示唆された。薬局薬剤師は、今回の研究にて明らかになった服薬状況に関する患者との認識差異を十分に理解し、より正確に患者から情報を聴取できるように客観的指標を用いたコミュニケーションなどに努めるとともに、多職種連携や薬局DX推進等による情報収集にも積極的に取り組んでいくことも重要と考える。