第18回日本薬局学会学術総会

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優秀演題候補セッション(口演)

優秀演題候補セッション(口演)

Sun. Nov 3, 2024 9:00 AM - 10:20 AM 第6会場 (4階 416+417)

座長:大上 哲也(千葉科学大学 薬学部 教授) 副座長:伊藤 将(株式会社アインホールディングス 医療連携学術部 学術課 リーダー)

[AO-08] 薬局薬剤師の薬物相互作用に対する認識および課題の調査

高畑 篤1, 高橋 渉2 (1.クオール(株) クオール薬局てらまち店, 2.クオールアカデミー・教育研修本部 DIグループ)

【目的】2018年に「医療現場における薬物相互作用(以下、DDI)へのかかわり方ガイド(以下、本ガイド)」が発出された。これは2017年に日本医療薬学会会員に対して行われたアンケートの結果をもとに作成されたが、薬局薬剤師の回答率はわずか4.5%であった。そこで本研究では、薬局薬剤師を対象とした先行調査同様のアンケート調査を実施することで、薬局薬剤師のニーズに沿ったDDIに関する問題点や教育・研修の必要性を明らかにすることを目的とした。
【方法】本調査は社内の全薬剤師を対象とし、 Web 画面から回答を入力する自記式質問紙調査として行った。WEB アンケートの設問は、先行研究の「医療現場におけるDDIへのかかわり方(1)」を参考にして作成した。また、本ガイドの認知度等も調査した。アンケートはMicrosoft Formsを用いて集計し、調査期間は2024年6月3日から6月16日とした。主要評価項目はアンケート回答の傾向とした。
【結果】474件の有効回答が得られた(回収率18.5%)。12の設問のうち、「理解できている」以上を回答した割合が20%を超えた設問は「CYPの主な分子種とその典型的な基質・阻害薬について」のみであり、割合は22.4%であった。本ガイドに関する設問で「聞いたこともない」「聞いたことがあるが読んだことはない」を回答した割合はあわせて87%であった。
【考察】CYPに関する設問を除いて「理解できている」以上を回答した割合は20%を下回っていたことから、薬局においてDDIの認識は未だ不十分であることが予想された。経験年数による大きな差はなく、また先行調査と比較しても大きな乖離があったことから、DDIに関する基礎的な知識を網羅的に把握できる教育や研修が必要であることが示唆された。本ガイドはDDIの知識を網羅的に得ることができるが、認知度が13%と低かったことから、研修プログラム等において本ガイドを活用することが知識定着の一助となる可能性が示唆された。