第18回日本薬局学会学術総会

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優秀演題候補セッション(ポスター)

優秀演題候補セッション(ポスター)

Sun. Nov 3, 2024 1:00 PM - 3:20 PM ポスター会場 (5階 501+502)

[AP-13-A] 薬学部の褥瘡に関する臨床準備教育における講義と実習の教育効果

三間 琳々香1, 近藤 慎吾1,2, 岩田 紘樹1,2, 小林 典子1,2, 山浦 克典1,2 (1.慶應義塾大学薬学部 医療薬学・社会連携センター 社会薬学部門, 2.慶應義塾大学薬学附属薬局)

【目的】2014年、厚生労働省は薬剤師による外用薬の実技指導を認める通知を発出し、薬剤師が地域で活躍するためのアクションプランでも褥瘡治療における薬剤師の貢献に期待が寄せられている。薬学教育モデル・コア・カリキュラムにも褥瘡に関する記載があることから、各大学で講義形式の教育は行われているものの、実習形式の教育は広く行われていない。そこで本研究では、薬学生に対する外用薬の実技指導に関する実習を追加した臨床準備教育の教育効果を検討した。
【方法】慶應義塾大学薬学部薬学科4年生138名を対象に、2024年4月に褥瘡に関する講義、5月に実習を実施した。実習は褥瘡シミュレータを用いてフルタメソッドに準拠した。講義前、講義後および実習後の計3回、褥瘡治療に関する知識(褥瘡の病態、主薬の作用・選択、基剤の特性・選択、外用薬の使用方法、皮膚創傷被覆材の使用方法)および技能・態度(実技指導のイメージおよび難易度、褥瘡治療への貢献)について4段階リッカート尺度を用いGoogleフォームで調査した。回答は4段階の最高評価とそれ以外で2値化して解析した。(倫理審査No. 承240222-1)
【結果】講義前、講義後および実習後のアンケート回収率はそれぞれ54%、55%および72%であった。知識、技能・態度に関する全質問項目で、肯定的回答の割合が講義前に比べ講義後に増加し、実習後ではさらに増加した。講義後および実習後において、将来薬剤師として働く意向の学生の方がそれ以外の学生に比べて肯定的回答の割合がより大きい項目が存在した。
【考察】褥瘡治療に関する講義に加え、外用薬の実技指導に関する実習を追加することで、薬学生の知識、技能・態度が講義単独と比べて向上することが示唆された。一般に薬剤師を対象とする実技研修で使用される褥瘡シミュレータを用いた実習は、実務経験のない薬学生の教育においても有用であった。