[AP-3-C] 小児患者における抗菌薬の適正使用に向けた課題の調査
【目的】抗菌薬の適切な使用は治療の効果と耐性菌の防止に不可欠だが、小児患者(以下、患児)では副作用やアレルギー、味の好み等が服薬中断の要因となりうる。本研究では、薬局薬剤師が患児の保護者に対する服薬フォローアップ(以下、服薬FU)や保護者からの相談(以下、保護者問い合わせ)を通じて、服薬中断につながりうる課題(以下、プロブレム)を分析し、薬局薬剤師の役割を考察した。
【方法】当グループが運営する保険薬局3店舗における2023年1月1日から12月31日の薬歴を利用し、6歳未満の患児に関する服薬FU事例と保護者問い合わせ事例を調査した。さらに、抗菌薬が処方された患児において薬局薬剤師が把握したプロブレムを抽出し、「飲み忘れ・不十分な服用」「味・においの問題」「副作用やアレルギーの疑い」等に分類した。1つの事例につき2つ以上のプロブレムがある場合でも、重複を許容した(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0235)。
【結果】対象の53事例のうち、抗菌薬が関与する22件(41.5%)のプロブレムが抽出された。プロブレムの内容は「副作用・アレルギーの疑い9件(45.0%)」が最も多く、次いで「飲み忘れ・不十分な服用6件(30.0%)」「味・においの問題3件(15%)」であった。特に「副作用・アレルギーの疑い」はペニシリン系(25.0%)、セフェム系(10.0%)、ニューキノロン系(10.0%)が、「味・においの問題」はマクロライド系(10%)が多く含まれた。
【考察】対象とした事例の約4割は抗菌薬に関連するプロブレムであり、その内容は「副作用・アレルギーの疑い」のみならず「飲み忘れ・不十分な服用」「味・においの問題」が多くを占めた。また、抗菌薬の種類により異なる傾向が確認されたことから、薬局薬剤師は副作用の対応は勿論のこと、抗菌薬の特徴を考慮し、調剤後の服薬状況確認に努めることが、患児における抗菌薬の適正使用を促す上で重要と考えられる。
【方法】当グループが運営する保険薬局3店舗における2023年1月1日から12月31日の薬歴を利用し、6歳未満の患児に関する服薬FU事例と保護者問い合わせ事例を調査した。さらに、抗菌薬が処方された患児において薬局薬剤師が把握したプロブレムを抽出し、「飲み忘れ・不十分な服用」「味・においの問題」「副作用やアレルギーの疑い」等に分類した。1つの事例につき2つ以上のプロブレムがある場合でも、重複を許容した(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0235)。
【結果】対象の53事例のうち、抗菌薬が関与する22件(41.5%)のプロブレムが抽出された。プロブレムの内容は「副作用・アレルギーの疑い9件(45.0%)」が最も多く、次いで「飲み忘れ・不十分な服用6件(30.0%)」「味・においの問題3件(15%)」であった。特に「副作用・アレルギーの疑い」はペニシリン系(25.0%)、セフェム系(10.0%)、ニューキノロン系(10.0%)が、「味・においの問題」はマクロライド系(10%)が多く含まれた。
【考察】対象とした事例の約4割は抗菌薬に関連するプロブレムであり、その内容は「副作用・アレルギーの疑い」のみならず「飲み忘れ・不十分な服用」「味・においの問題」が多くを占めた。また、抗菌薬の種類により異なる傾向が確認されたことから、薬局薬剤師は副作用の対応は勿論のこと、抗菌薬の特徴を考慮し、調剤後の服薬状況確認に努めることが、患児における抗菌薬の適正使用を促す上で重要と考えられる。