[DS3-1] 帯状疱疹と単純疱疹における効果的な服薬指導とは?
~皮膚科医からの期待~
ヘルペスウイルス感染症にはさまざまなものがあるが、臨床現場で比較的遭遇する機会が多いのは帯状疱疹と単純疱疹である。これらの疾患はいずれも生活の質(QOL)に大きな影響を与え、適切な治療と服薬指導が求められる。本セミナーでは薬剤師の方々に担っていただきたい役割に焦点をあてたい。
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-zoster virus : VZV)によって生じる。神経支配領域に一致した片側性の皮疹と神経障害による痛みを生じる疾患で、帯状疱疹後神経痛への移行をいかに阻止するかが治療のポイントとなる。一方、単純疱疹は単純ヘルペスウイルス(Herpes simplex virus : HSV)によって引き起こされ、多くの場合は口唇ヘルペスや性器ヘルペスとして病変を形成する。帯状疱疹と比べると圧倒的に再発回数が多い点が患者のQOLを低下させる要因となっている。
治療にあたっては、抗ヘルペスウイルス薬の適切な選択が重要であり、特に高齢者や腎機能障害を有する患者では、薬剤性腎障害のリスクを考慮した上で、患者の腎機能に応じた用量調節が必要となる。この点において、薬剤師による疑義紹介を含めた働きかけが極めて重要と考える。また、内服抗ヘルペスウイルス薬の中で腎機能による用量調整が不要な薬剤として唯一アメナメビルがあるという点は考慮すべきポイントである。
また、服薬指導の一貫として治療法の啓発にもぜひ目を向けていただきたい。近年、再発性の単純疱疹(口唇ヘルペスまたは性器ヘルペス)に対してPIT(Patient Initiated Therapy)が可能となったことはご存知だろうか。PITはあらかじめ処方された薬剤を、再発時の初期症状に基づき患者判断で服用する治療法である。本邦ではアメナメビルとファムシクロビルのPITが保険適用となっているが、医療機関におけるPITの実施率はまだ決して高いとは言えない。そのため、PITの処方が出ていない再発性の単純疱疹患者に対する薬剤師からの啓発は、患者にとって有益となりうると考える。
帯状疱疹および単純疱疹の治療において、薬剤師の立場から適切な薬剤選択の支援、PITの啓発などを実施いただくことは患者の服薬アドヒアランスならびにQOLの向上に繋がると考える。本セミナーが、薬剤師から患者に対して積極的な働きかけを行う必要性とその方法について検討いただく一助となれば幸いである。
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-zoster virus : VZV)によって生じる。神経支配領域に一致した片側性の皮疹と神経障害による痛みを生じる疾患で、帯状疱疹後神経痛への移行をいかに阻止するかが治療のポイントとなる。一方、単純疱疹は単純ヘルペスウイルス(Herpes simplex virus : HSV)によって引き起こされ、多くの場合は口唇ヘルペスや性器ヘルペスとして病変を形成する。帯状疱疹と比べると圧倒的に再発回数が多い点が患者のQOLを低下させる要因となっている。
治療にあたっては、抗ヘルペスウイルス薬の適切な選択が重要であり、特に高齢者や腎機能障害を有する患者では、薬剤性腎障害のリスクを考慮した上で、患者の腎機能に応じた用量調節が必要となる。この点において、薬剤師による疑義紹介を含めた働きかけが極めて重要と考える。また、内服抗ヘルペスウイルス薬の中で腎機能による用量調整が不要な薬剤として唯一アメナメビルがあるという点は考慮すべきポイントである。
また、服薬指導の一貫として治療法の啓発にもぜひ目を向けていただきたい。近年、再発性の単純疱疹(口唇ヘルペスまたは性器ヘルペス)に対してPIT(Patient Initiated Therapy)が可能となったことはご存知だろうか。PITはあらかじめ処方された薬剤を、再発時の初期症状に基づき患者判断で服用する治療法である。本邦ではアメナメビルとファムシクロビルのPITが保険適用となっているが、医療機関におけるPITの実施率はまだ決して高いとは言えない。そのため、PITの処方が出ていない再発性の単純疱疹患者に対する薬剤師からの啓発は、患者にとって有益となりうると考える。
帯状疱疹および単純疱疹の治療において、薬剤師の立場から適切な薬剤選択の支援、PITの啓発などを実施いただくことは患者の服薬アドヒアランスならびにQOLの向上に繋がると考える。本セミナーが、薬剤師から患者に対して積極的な働きかけを行う必要性とその方法について検討いただく一助となれば幸いである。