[EUS2-3] 気分障害患者の対応
気分障害を代表する疾患に「うつ病」「双極性障害」がある。うつ病の主な症状は抑うつ状態や興味・意欲の喪失であり、双極性障害の患者では抑うつ状態と躁状態とが交代で現れ、行動のコントロールに支障をきたす。いずれの疾患も患者本人だけでなく周囲の人々にも負担がかかる上、患者の自殺リスクもはらんでおり(双極性障害の自殺率は特に高いとされる)、地域の薬局においても適切な患者対応・フォローアップが求められる。
薬局で出会う気分障害の患者には、声をかけても返事がない、延々と話し続ける、死にたいと訴える、日によってテンションが変わるなど、様々なタイプが見受けられる。これらは個々の性格のみならず、病状にもよるものだと理解せねばならない。病状としてコミュニケーション能力が障害されている患者に服薬指導を行う場合には、患者への「接し方」が重要となる。適切な「接し方」によるアプローチは薬学管理的なアプローチを補完し、質の高い服薬指導を実現する上で欠かせないと考える。
今回作成した患者対応マニュアルでは、1:薬物療法に必要な基本情報をまとめた上で、2:薬局の現場で遭遇する答えの出しづらい事例にも目を向ける事を心掛けた。1の基本情報は、気分障害に不慣れな薬剤師が処方せんを受け付けた時に参照できるような、現場目線の構成を目指した。2の答えの出しづらい事例では、先述の患者例以外にも、知人友人が来局した場合など薬学的知識とは直接関係のない事例もとりあげた。
気分障害患者への「接し方」については、相手や状況によって最適解は異なるため、画一的な模範解答を示すことは難しい。しかし、現場に立つ薬剤師からの一つの提案として御一読いただき、患者対応のヒントにしていただければ幸いである。
薬局で出会う気分障害の患者には、声をかけても返事がない、延々と話し続ける、死にたいと訴える、日によってテンションが変わるなど、様々なタイプが見受けられる。これらは個々の性格のみならず、病状にもよるものだと理解せねばならない。病状としてコミュニケーション能力が障害されている患者に服薬指導を行う場合には、患者への「接し方」が重要となる。適切な「接し方」によるアプローチは薬学管理的なアプローチを補完し、質の高い服薬指導を実現する上で欠かせないと考える。
今回作成した患者対応マニュアルでは、1:薬物療法に必要な基本情報をまとめた上で、2:薬局の現場で遭遇する答えの出しづらい事例にも目を向ける事を心掛けた。1の基本情報は、気分障害に不慣れな薬剤師が処方せんを受け付けた時に参照できるような、現場目線の構成を目指した。2の答えの出しづらい事例では、先述の患者例以外にも、知人友人が来局した場合など薬学的知識とは直接関係のない事例もとりあげた。
気分障害患者への「接し方」については、相手や状況によって最適解は異なるため、画一的な模範解答を示すことは難しい。しかし、現場に立つ薬剤師からの一つの提案として御一読いただき、患者対応のヒントにしていただければ幸いである。