第18回日本薬局学会学術総会

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ランチョンセミナー

ランチョンセミナー10

Sun. Nov 3, 2024 11:50 AM - 12:50 PM 第5会場 (3階 313+314)

座長:長沼 未加(クオールホールディングス株式会社 教育推進部 部長、クオール株式会社 取締役(兼)クオールアカデミー・教育研修本部 本部長)

共催:株式会社医学アカデミー

[LS10-2] 薬剤師を人的資本として捉えたブレンディッド学習方略

井田 恭子 (株式会社日経BP 日経ドラッグインフォメーション編集長)

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近年、働き方を含めた人材戦略の在り方が改めて問われており、法人は、様々な経営上の課題に直面しているが、これらの課題は、人材面での課題と表裏一体であり、スピーディーな対応が求められる。『持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書(2020年9月)』においては、「各社が持続的な企業価値の向上に向け、人材戦略を変革させる必要がある。」とされており、人材マネジメントの考え方について「人的資源・管理(コスト思考)」というこれまでの考え方から「人的資本・価値創造(投資思考)」への変化が提言されている。

薬剤師・薬局も、かかりつけとしての基本的な機能と積極的な健康サポート機能を兼ね備えていくことが求められ続けており、かかりつけ薬剤師指導料およびかかりつけ薬剤師包括管理料の算定要件の一つにも「認定薬剤師を取得していること」が挙げられており、生涯にわたる自己研鑽の重要性と人を資本として捉え価値を創造する狙いが表れていると言える。
研鑽を現場に生かすには、薬剤師自らが、地域の環境や患者・住民のニーズ、自身の現状を踏まえ、目標を設定し、PDCAサイクルを回し続けることが重要であり、個人の目標を達成できるよう各法人も支援(投資)していくという考え方へ変化している。そのためには、自ら課題を継続的に発見し、臨床現場で学ぶ、多職種と交流、上長から指導、自己研鑽用の教材・コンテンツを整えるなどが必要となる。

しかしながら、一部の薬剤師を除いて必ずしもうまくいっているとは言えない。例えば、支援(投資)をしても本人の目的意識の問題に加え、日常の薬剤師業務の合間に自身のニーズを満たす学習をするための適切な媒体やシステムを持ち得ず効率的な学習ができない等、教育を提供する側にも課題はあると考えられる。
本セミナーでは、ロミンガーの法則にある「人が成長する7割は業務経験、2割が薫陶、1割は研修」という個人の能力開発についての影響度合いも参考に、本来あるべき自己研鑽の一助を目指したブレンディッド学習について紹介する。その方略の実現に向けてeラーニング教材を搭載した認定単位管理・認定申請アプリケーション「ためとこ」、情報発信媒体「日経DIプレミアム版」、薬局の教育部門「クオールアカデミー」の3者の目線からの考えや課題に対する取組の紹介を通じて、人的資本という考え方について理解を深めたい。