第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

ランチョンセミナー

ランチョンセミナー8

2024年11月3日(日) 11:50 〜 12:50 第3会場 (3階 315)

座長:岡田 浩(公立大学法人 和歌山県立医科大学薬学部 社会・薬局薬学研究室 教授)

共催:マイライフ株式会社・NTT PARAVITA株式会社

[LS8-2] 睡眠薬の減薬および生活習慣病の食生活改善によるカスタマーサクセスの創出

中村 優希 (薬樹株式会社 健ナビ推進グループ マネージャー)

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 厚生労働省が掲げる「二十一世紀における第三次国民健康づくり運動(健康日本21(第三次))」において個人の行動と健康状態の改善は、国民の健康増進を推進する上で引き続き重要な取り組みとして位置づけられている。その中で休養・睡眠は、栄養・食生活、身体活動・運動、飲酒、喫煙及び歯・口腔の健康と並んで取り組むべき項目とされ、その取り組み推進が生活習慣の改善(リスクファクターの低減)に加え、これらの生活習慣の定着等による生活習慣病の発症予防及び合併症の発症や症状の進展等の重症化予防となるとされている。その担い手に私たちの薬局の従事者である薬剤師や管理栄養士が示され、国や地方公共団体により人財の確保及び資質の向上に努めることとされている。また、休養・睡眠分野の取組を推進するために、生活指導の実施者、政策立案者(健康増進部門、まちづくり部門等)、職場管理者、その他健康・医療・介護分野において良質な睡眠の確保を支援する関係者等を対象として「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が策定されており、その中で国民一人ひとりが、それぞれのライフスタイルに応じて良質な睡眠の確保ができるよう、「6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する」などの定量的な推奨事項だけでなく、良質な睡眠確保に向けた睡眠環境や生活習慣等の見直しといった定性的な推奨事項も含んでおり、スマートフォンやウェアラブル端末の普及に伴ったPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)等のICTを活用したサービスの拡充等の自身の健康情報を入手・活用できる環境の整備が急速に進んでいることも踏まえ、睡眠の客観的な把握において、こうしたデジタル技術等も活用しつつ、さらなる睡眠分野の取組を進めていくことが重要であるとされている。
 一方、私たち薬局が大きく期待をされている「かかりつけ機能」には多剤投与の解消や病気の予防があるが、薬局店頭での患者様とのコミュニケーションの中で減薬、特に睡眠導入剤の減薬と睡眠および生活習慣病の予防、特に食生活と睡眠とは深く関係していると実感している。今回、NTTPARAVITA株式会社とマイライフ株式会社の提供する睡眠計測サービス「ねむりの窓口」を使用し、薬剤師による睡眠導入剤の減薬および管理栄養士による食生活の改善へ繋げられるのかを検証する。