[O-6-10] 医薬品副作用報告データベースを用いたプレガバリンの神経抑制作用に伴う有害事象の解析
【目的】プレガバリン(以下、PRG)は、神経抑制作用に伴う有害事象(以下、神経抑制AE)の発現が報告されており、発現に関する要因や好発時期等の特徴を薬局薬剤師が把握することは、安全なPRG使用において有用と考えられる。本研究では、医薬品副作用報告(以下、JADER)データベースを用い、PRGによる神経抑制AEの特徴を解析した。
【方法】対象の神経抑制AEを「浮動性めまい」「意識障害」「視覚障害」とし、2023年3月までのJADERデータベースを用いて、薬剤と有害事象との関連性評価に用いられる報告オッズ比(ROR)を算出した。また、発現傾向の年齢差を評価すべく70歳未満に対する70歳以上の相対ROR(rROR)を算出した。rRORの95%信頼区間下限値が1を上回る場合、高齢者特有のシグナルありと判定した。さらに、神経抑制AE発現までの日数(以下、発現日数)の分布に基づき、ワイブル分布形状パラメータから、発現パターンを推定した。その際、ウィルコクソン検定にて70歳未満と70歳以上の発現日数を比較した(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0224)。
【結果】全ての神経抑制AEでPRGとの関連が確認され、「浮動性めまい」では、高齢者特有のシグナルが検出された。「浮動性めまい」「意識障害」「視覚障害」の発現日数中央値はそれぞれ4日、8日、26日であり、いずれも服用開始初期に発現しやすいパターン(初期故障型)と推定された。「視覚障害」の発現日数は、70歳未満に比べて70歳以上で有意に短かった。
【考察】神経抑制AEの中でも「浮動性めまい」は、高齢者において発現しやすい可能性が示唆された。また、本研究で対象とした神経抑制AEはPRG開始初期に起こりやすく、「視覚障害」は70歳未満に比べて70歳以上で早期に発現しやすい傾向が示唆された。これらの知見をもとに、薬局薬剤師は適時的確な患者状況の把握に努め、PRGによる外来薬物療法の安全性担保に貢献することが必要と考える。
【方法】対象の神経抑制AEを「浮動性めまい」「意識障害」「視覚障害」とし、2023年3月までのJADERデータベースを用いて、薬剤と有害事象との関連性評価に用いられる報告オッズ比(ROR)を算出した。また、発現傾向の年齢差を評価すべく70歳未満に対する70歳以上の相対ROR(rROR)を算出した。rRORの95%信頼区間下限値が1を上回る場合、高齢者特有のシグナルありと判定した。さらに、神経抑制AE発現までの日数(以下、発現日数)の分布に基づき、ワイブル分布形状パラメータから、発現パターンを推定した。その際、ウィルコクソン検定にて70歳未満と70歳以上の発現日数を比較した(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0224)。
【結果】全ての神経抑制AEでPRGとの関連が確認され、「浮動性めまい」では、高齢者特有のシグナルが検出された。「浮動性めまい」「意識障害」「視覚障害」の発現日数中央値はそれぞれ4日、8日、26日であり、いずれも服用開始初期に発現しやすいパターン(初期故障型)と推定された。「視覚障害」の発現日数は、70歳未満に比べて70歳以上で有意に短かった。
【考察】神経抑制AEの中でも「浮動性めまい」は、高齢者において発現しやすい可能性が示唆された。また、本研究で対象とした神経抑制AEはPRG開始初期に起こりやすく、「視覚障害」は70歳未満に比べて70歳以上で早期に発現しやすい傾向が示唆された。これらの知見をもとに、薬局薬剤師は適時的確な患者状況の把握に努め、PRGによる外来薬物療法の安全性担保に貢献することが必要と考える。