[O-7-18] 在宅医療において薬局管理栄養士の介入により血糖コントロールが改善し薬物治療が回避された一例
【背景】
厚生労働省によると、在宅医療を必要とする患者は増加しており、地域包括ケアシステム構築が急がれている。住み慣れた場所で最期までその人らしく生活するためには、適切な食事・栄養の支援が必要であると考える。今回、管理栄養士の行う居宅療養管理指導において、血糖値の悪化を防いだ事例から、地域包括ケアシステムにおける薬局管理栄養士の役割を考察した。
【症例】
80代女性。訪問診療医より「高血糖傾向だが、本人は内服薬を増やしたくない」と依頼があり、20XX年X月介入開始。介入時は、随時血糖値236mg/dL、HbA1c6.2%(20XX年X-3月)、往診時の食後2時間血糖値200~300mg/dLと推移。身長154cm体重40kgBMI17.7と低体重(やせ)であり、食事状況からも過剰摂取は認められなかった。しかし、初回介入時にうどんや芋類を好んで摂取していることが発覚し、高GL食品への偏りがあると考え、月2回の訪問にて低GL食品への置き換えの提案を行った。20XX年X+1月には、食後2時間血糖値336mg/dl、HbA1c6.7%であったが、介入後3カ月目には、食後2時間血糖値133mg/dl、HbA1c6.2%と血糖値の改善を認め、糖尿病治療薬の開始を未然に防ぐことができ、20XX年X+5月介入終了となった。
【考察】
食事療法による介入で血糖コントロールが改善し、糖尿病治療薬の導入を回避した事例である。重症でない高血糖傾向の患者に薬物治療を決断する前に、居宅療養管理指導として介入することにより、不必要な服薬を回避できる可能性が示唆される。血糖降下薬をはじめとする糖尿病治療薬は、低血糖のリスク管理のため適切な指導が欠かせない。地域包括ケアシステムにおいて、薬物治療前の早期介入は薬局管理栄養士の役割の一つであり、医療におけるタスクシフト・タスクシェアの中で医師や薬剤師とともに在宅医療における症例に対しても協働できるものと考えられる。
厚生労働省によると、在宅医療を必要とする患者は増加しており、地域包括ケアシステム構築が急がれている。住み慣れた場所で最期までその人らしく生活するためには、適切な食事・栄養の支援が必要であると考える。今回、管理栄養士の行う居宅療養管理指導において、血糖値の悪化を防いだ事例から、地域包括ケアシステムにおける薬局管理栄養士の役割を考察した。
【症例】
80代女性。訪問診療医より「高血糖傾向だが、本人は内服薬を増やしたくない」と依頼があり、20XX年X月介入開始。介入時は、随時血糖値236mg/dL、HbA1c6.2%(20XX年X-3月)、往診時の食後2時間血糖値200~300mg/dLと推移。身長154cm体重40kgBMI17.7と低体重(やせ)であり、食事状況からも過剰摂取は認められなかった。しかし、初回介入時にうどんや芋類を好んで摂取していることが発覚し、高GL食品への偏りがあると考え、月2回の訪問にて低GL食品への置き換えの提案を行った。20XX年X+1月には、食後2時間血糖値336mg/dl、HbA1c6.7%であったが、介入後3カ月目には、食後2時間血糖値133mg/dl、HbA1c6.2%と血糖値の改善を認め、糖尿病治療薬の開始を未然に防ぐことができ、20XX年X+5月介入終了となった。
【考察】
食事療法による介入で血糖コントロールが改善し、糖尿病治療薬の導入を回避した事例である。重症でない高血糖傾向の患者に薬物治療を決断する前に、居宅療養管理指導として介入することにより、不必要な服薬を回避できる可能性が示唆される。血糖降下薬をはじめとする糖尿病治療薬は、低血糖のリスク管理のため適切な指導が欠かせない。地域包括ケアシステムにおいて、薬物治療前の早期介入は薬局管理栄養士の役割の一つであり、医療におけるタスクシフト・タスクシェアの中で医師や薬剤師とともに在宅医療における症例に対しても協働できるものと考えられる。