[O-7-22] GLP-1受容体作動薬間の切り替え時に発現した副作用
【目的】当薬局ではGLP-1受容体作動薬(以下GLP-1RA)の相次ぐ出荷制限の影響を受け、他のGLP-1RAへの切り替えを余儀なくされた症例を度々経験したが、本剤は製剤間の特性の相違が血糖マネジメントに多大な影響を及ぼす可能性があるだけではなく、切り替え時の安全性を評価した臨床試験や報告がない。本研究では、当薬局におけるGLP-1RA製剤間の切り替え時の副作用発現状況を調査したので報告する。
【方法】2023年4月~9月に出荷制限を理由に、やむを得ず他のGLP-1RAに切り替えた2型糖尿病患者のうち、対面または電話による調剤後フォローアップ(以下、f/u)かつ処方医へフィードバックが実施された症例を対象に、その使用状況、副作用の有無と程度、処方変更の有無について薬歴を後方視的に調査した。副作用の評価にはCTCAE v5.0を用いた。
【結果】対象患者は7名、平均年齢69.7±15.8歳であり、すべてデュラグルチド皮下注からセマグルチド皮下注への切り替えであった。副作用は胃腸障害が2名(食欲不振1名、悪心・嘔吐1名)でいずれもGrade 1であった。f/u時に副作用を認めた患者では、フィードバックを機に投与中止となっていた。また、検査値欠落のためCTCAEでは評価できなかったが、低血糖が疑われる症例もあった。なお、ペン型注入器の仕様変更に伴う新たな注射手技の他、投与間隔、保管方法などについて正しく使用できていた。
【考察】本調査により、デュラグルチルド皮下注からセマグルチド皮下注への切り替えにおいて、多くの症例は忍容性に問題はなかったが、胃腸障害と低血糖の発現リスクを有することが示唆された。また、f/uおよびフィードバックを通じて処方変更に繋がった症例もあったことから、患者の副作用の早期発見と軽減に寄与したと考えられ、医薬品の適正使用の観点からも、今後も同様のf/uを継続していく必要があると考えられた。
【方法】2023年4月~9月に出荷制限を理由に、やむを得ず他のGLP-1RAに切り替えた2型糖尿病患者のうち、対面または電話による調剤後フォローアップ(以下、f/u)かつ処方医へフィードバックが実施された症例を対象に、その使用状況、副作用の有無と程度、処方変更の有無について薬歴を後方視的に調査した。副作用の評価にはCTCAE v5.0を用いた。
【結果】対象患者は7名、平均年齢69.7±15.8歳であり、すべてデュラグルチド皮下注からセマグルチド皮下注への切り替えであった。副作用は胃腸障害が2名(食欲不振1名、悪心・嘔吐1名)でいずれもGrade 1であった。f/u時に副作用を認めた患者では、フィードバックを機に投与中止となっていた。また、検査値欠落のためCTCAEでは評価できなかったが、低血糖が疑われる症例もあった。なお、ペン型注入器の仕様変更に伴う新たな注射手技の他、投与間隔、保管方法などについて正しく使用できていた。
【考察】本調査により、デュラグルチルド皮下注からセマグルチド皮下注への切り替えにおいて、多くの症例は忍容性に問題はなかったが、胃腸障害と低血糖の発現リスクを有することが示唆された。また、f/uおよびフィードバックを通じて処方変更に繋がった症例もあったことから、患者の副作用の早期発見と軽減に寄与したと考えられ、医薬品の適正使用の観点からも、今後も同様のf/uを継続していく必要があると考えられた。