[O-7-4] 保険薬局で行う骨粗鬆症治療薬中断を防ぐ取り組みに関する検証と考察
【目的】骨粗鬆症治療において服薬・受診の中断が課題となっている。当薬局では2017年より整形外科クリニックと連携し、骨粗鬆症薬処方患者で3ヶ月以上来局が無い場合にクリニックに情報共有し再受診を促す取り組みを実施している。第23回日本骨粗鬆症学会では3割の患者が処方開始後半年未満に治療中断したことを報告した。今回は2020年10月より同意を得た新規処方患者に1週間後の電話フォローアップ(以下、フォローとする)を開始したことによる、処方継続状況の変化と運用課題について検討した。
【方法】2020年10月から2022年12月までのフォロー実施有無による新規処方患者の1年間の処方継続率を調査した。また、前回調査した2017年10月~2020年9月と今回調査した2020年10月~2023年9月において、処方されて3か月以上来局のない中断者と確認された患者の処方継続した期間を比較した。
【結果】2020年10月から2022年12月までに骨粗鬆症治療薬を新規処方された患者は185名。フォローした患者は62名、うち8名において飲み合わせへの不安、服用困難、胃の不調などの状況を確認し説明・対応を行った。1年間の処方継続率はフォロー実施群80.6%(50名)、実施なし群69.9%(86名)。処方数の多かった週1回ビスホスホネート製剤では78.9%(実施なし50.0%)、活性型ビタミンD3製剤83.3%(実施なし78.5%)であった。また、前回と今回の調査期間での中断者の処方継続期間の内訳は、1年未満(39%、41%)、1~2年未満(14%、12%)、2~3年未満(12%、10%)、3~4年未満(9%、7%)、4年以上(26%、30%)と変化は見られなかった。
【考察】骨粗鬆症治療薬の早期中断の可能性に対し、薬局が開始1週間後のフォローを行うことにより、服薬継続への不安を早期に発見できる事が示され、1年間処方継続率の向上が示唆された。しかし、フォローの同意を3割しか得られなかったことから患者説明の運用改善の必要があると考察した。
【方法】2020年10月から2022年12月までのフォロー実施有無による新規処方患者の1年間の処方継続率を調査した。また、前回調査した2017年10月~2020年9月と今回調査した2020年10月~2023年9月において、処方されて3か月以上来局のない中断者と確認された患者の処方継続した期間を比較した。
【結果】2020年10月から2022年12月までに骨粗鬆症治療薬を新規処方された患者は185名。フォローした患者は62名、うち8名において飲み合わせへの不安、服用困難、胃の不調などの状況を確認し説明・対応を行った。1年間の処方継続率はフォロー実施群80.6%(50名)、実施なし群69.9%(86名)。処方数の多かった週1回ビスホスホネート製剤では78.9%(実施なし50.0%)、活性型ビタミンD3製剤83.3%(実施なし78.5%)であった。また、前回と今回の調査期間での中断者の処方継続期間の内訳は、1年未満(39%、41%)、1~2年未満(14%、12%)、2~3年未満(12%、10%)、3~4年未満(9%、7%)、4年以上(26%、30%)と変化は見られなかった。
【考察】骨粗鬆症治療薬の早期中断の可能性に対し、薬局が開始1週間後のフォローを行うことにより、服薬継続への不安を早期に発見できる事が示され、1年間処方継続率の向上が示唆された。しかし、フォローの同意を3割しか得られなかったことから患者説明の運用改善の必要があると考察した。