[P-003-C] 薬局薬剤師が介入したがん化学療法の副作用に対するMedDRA分類を用いた解析
【目的】がん化学療法における副作用発現は頻度が高く、薬剤中止、変更、支持療法などのサポートは必要であり、院外処方に基づく薬剤師の役割が極めて重要である。がん化学療法における副作用発現に伴う薬剤師のフォローアップや医療機関へのフィードバックについて解析することにより、外来抗がん剤治療患者に薬剤師が関与することで、治療への影響を検証したいと考える。【方法】2022年1月6日~2024年3月31日でがん化学療法の継続管理を行い、薬学管理が必要と判断した141名の患者の薬剤服用歴管理記録簿から、薬剤師の処方提案などの介入を行った副作用を患者基本情報とMedDRA分類による解析を実施した。例数の少ない偏りのあるMedDRA分類は削除し、ロジスティック回帰分析(Wald検定)によって統計解析を実施し、p<0.05を有意差ありと判定した。【結果】対象患者は141例、平均年齢67.6±13.3、男性63.1%、かかりつけ薬剤師30.5%、診療科:消化器外科57.4%、泌尿器科26.2%、大腸肛門外科11.3%であった。主な化学療法のベースは、XELOX 26.2%、エンホルツマブ ベドチン19.1%、ゲムシタビン17.7%、ペンブロリズマブ9.2%などであった。副作用は495件であり、MedDRA分類(以下の略称)は、神経関連75.9%、消化器関連61.0%、皮膚関連55.3%、代謝栄養関連29.1%、呼吸器9.2%、感染5.0%、血管2.8%、眼2.1%、筋骨格0.7%であった。薬剤師の提案は47例であり、内容は、消化器関連44.7%、皮膚関連29.8%、代謝栄養関連8.5%、神経関連8.5%、血管関連2.1%、関連因子として、性別(p=0.232)、年齢(p=0.849)、かかりつけ薬剤師(p=0.367)では有意差を示さず、MedDRA分類における代謝栄養(p=0.003)、消化器(p=0.012)で有意差を示した。【考察】がん化学療法の発現する副作用および薬剤師の提案内容は、消化器、皮膚関連の頻度が高かったが、薬剤師介入関連因子として、消化器だけでなく、代謝栄養の副作用に留意する重要性が示唆された。