第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2024年11月3日(日) 14:50 〜 15:20 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-003-C] 薬局薬剤師が介入したがん化学療法の副作用に対するMedDRA分類を用いた解析

亀岡 貴哉1, 小竹 武3, 中野 春恵2, 福士 綾香2, 永井 陽子1, 杵淵 温子1, 原田 真美1, 白井 里奈1, 高橋 千枝1, 赤尾 梨恵1, 南村 昌志1, 増田 恵理子1, 岸田 充生4 (1.(株)フロンティア フロンティア薬局麻溝台店, 2.新大久保店, 3.近畿大学薬学部臨床薬学部門 医療薬剤学分野, 4.(株)フロンティア南関東支店)

【目的】がん化学療法における副作用発現は頻度が高く、薬剤中止、変更、支持療法などのサポートは必要であり、院外処方に基づく薬剤師の役割が極めて重要である。がん化学療法における副作用発現に伴う薬剤師のフォローアップや医療機関へのフィードバックについて解析することにより、外来抗がん剤治療患者に薬剤師が関与することで、治療への影響を検証したいと考える。【方法】2022年1月6日~2024年3月31日でがん化学療法の継続管理を行い、薬学管理が必要と判断した141名の患者の薬剤服用歴管理記録簿から、薬剤師の処方提案などの介入を行った副作用を患者基本情報とMedDRA分類による解析を実施した。例数の少ない偏りのあるMedDRA分類は削除し、ロジスティック回帰分析(Wald検定)によって統計解析を実施し、p<0.05を有意差ありと判定した。【結果】対象患者は141例、平均年齢67.6±13.3、男性63.1%、かかりつけ薬剤師30.5%、診療科:消化器外科57.4%、泌尿器科26.2%、大腸肛門外科11.3%であった。主な化学療法のベースは、XELOX 26.2%、エンホルツマブ ベドチン19.1%、ゲムシタビン17.7%、ペンブロリズマブ9.2%などであった。副作用は495件であり、MedDRA分類(以下の略称)は、神経関連75.9%、消化器関連61.0%、皮膚関連55.3%、代謝栄養関連29.1%、呼吸器9.2%、感染5.0%、血管2.8%、眼2.1%、筋骨格0.7%であった。薬剤師の提案は47例であり、内容は、消化器関連44.7%、皮膚関連29.8%、代謝栄養関連8.5%、神経関連8.5%、血管関連2.1%、関連因子として、性別(p=0.232)、年齢(p=0.849)、かかりつけ薬剤師(p=0.367)では有意差を示さず、MedDRA分類における代謝栄養(p=0.003)、消化器(p=0.012)で有意差を示した。【考察】がん化学療法の発現する副作用および薬剤師の提案内容は、消化器、皮膚関連の頻度が高かったが、薬剤師介入関連因子として、消化器だけでなく、代謝栄養の副作用に留意する重要性が示唆された。