第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2024年11月3日(日) 13:50 〜 14:30 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-005-B] 患者・医療者の災害時に備えた予備医薬品に関する意識調査

石田 悠1, 東 将大2, 落合 純也3, 栗村 拓冶4, 菅野 大輔5, 杉崎 航太6, 百田 匡宏7 (1.総合メディカル(株) そうごう薬局 富士南店, 2.北安東店, 3.島田店, 4.清水八木間店, 5.エキニア横浜店, 6.薬円台店, 7.総合メディカル(株))

【目的】近年日本各地で自然災害が発生しており、甚大な影響を受けた際に通常通りの医療提供が困難になる場合がある。日本医師会では、災害時のために非常用3日分、できれば7日分の持病の薬を備えておく「災害時用予備薬」を推奨しているが、実際に患者がどの程度理解しているか、また医療者がその啓発を十分に行っているのか定かではない。そこで今回、薬局において患者に対する災害時用予備薬に関する啓発方法を検討することを目的に、患者・医療者を対象に意識調査を行い、その現状を把握することとした。【方法】2023年5月17日から6月30日の期間に静岡地区のそうごう薬局7店舗に来局した定期受診患者、静岡ブロックの各店舗配属の薬剤師、主応需先病院の医師に対し、災害用予備薬に関するアンケート調査を実施した。【結果】回答は患者284名、医療者22名(医師8名、薬剤師14名)から得られた。自身の予備薬を持っていると回答した患者は115名、持っていない患者は169名と、持っていないと回答した患者が多かった。実際に持っている予備薬の日数は平均9.1日であったが、災害に備えて本当に持っておきたい日数は平均14.2日と回答した。医師会推奨量を知っていると回答した医療者は5名と少なく、21名が7日または14日の予備薬を持っておいた方が良いと回答した。【考察】今回の調査より、患者は医師会推奨量よりも多い14日程度の災害時用予備薬を持っていたいと考えている事がわかった。予備薬を持っている患者では、災害時の備えとしては十分な量を所持していたが、それが単なる飲み忘れ等によって発生した残薬であった可能性もあることには注意が必要である。一方、予備薬を持っていない患者も多く、患者への啓発が不十分であることが考えられる。このことから、早期に医療者の災害時用予備薬に対する認識度を高め、患者への啓発活動につなげる必要があると考察した。