第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2024年11月3日(日) 13:00 〜 13:40 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-007-A] 薬局薬剤師のがん患者介入事例

山田 健人 ((株)大平 タイヘイ薬局Aコープ店)


【目的】がん薬物治療の多くは入院から外来へと移行している。そのため薬局薬剤師にも、がん薬物療法について高度な知識を持つことが求められている。今回は薬局薬剤師が介入したがん患者の症例を報告する。
【症例】50代女性、大腸癌の術後補助化学療法としてカペシタビン+オキサリプラチン療法が開始となった。3コース目day1に手足症候群(gread2)が出現したため休薬となった。ヘパリン類似物質外用泡状スプレー0.3%が処方されていたが、外用ステロイドは処方されていなかった。手足症候群(gread2)以上に進行した場合にはstrong以上のステロイド外用剤の使用が推奨されているため処方提案を行った。その結果ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏0.05%が追加となった。その一週間後、皮膚の紅斑はあるが痛みは無くなったため、カペシタビン、オキサリプラチン同量で治療再開となった。5コース目day1診察時に手足症候群(grade2)が確認されたため休薬となった。7日後、患者にテレフォンフォローアップを行ったところ、手にチクチク感はあるがはっきりとした痛みはなく手足症候群(grade1)へ改善されたことを確認した。2度の手足症候群(grade2)が発現したため適正使用ガイドラインに基づきカペシタビン1段階減量を処方医へ提案し、減量となった。その後大きな副作用の発現はなく、8コース完遂し治療終了となった。
【考察】がん薬物療法では様々な有害事象が高頻度で発現する。そのため早期に有害事象の対策を行うことが治療の継続に重要である。投薬後も継続して患者のフォローアップを行うことにより、早期に副作用の対策が行えるため薬局薬剤師の介入が必要であると考える。