第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2024年11月3日(日) 13:50 〜 14:30 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-008-B] ポリファーマシー解消に向けた効果的な患者アプローチ方法の検討

中村 崚二1, 佐川 大介2, 長田 花菜子3, 須藤 彰太4, 松井 洸5, 山口 浩5, 野村 和彦5 (1.(株)レデイ薬局 藤塚店, 2.垣生店, 3.中萩店, 4.沖浜店, 5.(株)ツルハホールディングス)

【目的】薬局薬剤師によるポリファーマシー解消への取り組みに対する評価として、「服用薬剤調整支援料(以下、支援料)」がある。ポリファーマシー解消への取り組みをより一層推進し、適正な薬物治療を支援していくためにも、患者に対するどのようなアプローチが有用であるか検討することを本研究の目的とした。【方法】2022年8月、当社調剤52店舗に勤務する薬剤師163名に対し、支援料算定への意識調査を実施した。調査項目は算定における現状や障害について等である。調査結果を分析し、効果的な患者アプローチ方法を検討した。【結果】127件の回答(有効回答率:77.9%)が得られた。支援料の算定要件を117名(92.1%)が理解していた。定期的にポリファーマシーに該当する患者を店舗内で共有していると答えたのは14店舗(26.9%)と薬剤師のポリファーマシー解消に対する意識が低い結果となった。算定の障害と感じる点として「患者からの同意取得」「算定要件の達成」がともに36名(28.3%)で最も多く挙げられた。改善策として81名(63.8%)が「他店舗の算定事例の共有」を求めていた。【考察】算定の障害と感じる点として、「患者からの同意取得」を挙げた薬剤師が多かったことから、患者自身のポリファーマシーに対する意識を高めるための取り組みが重要である。取り組みの一環として、患者向けのポリファーマシーに関する啓発資材を作成・配布することに、一定の効果が期待できると考える。また、定期的にポリファーマシーに該当する患者を店舗内で共有している店舗は全体の3割にも満たず、患者同様に、薬剤師のポリファーマシーに対する意識の低さも障害となっていることが明らかとなった。今後、薬局薬剤師が多剤併用中の患者における医療安全を積極的に担保していくために、ポリファーマシー解消に至った事例共有を行い、薬剤師の経験不足を支援する対策も必要である。