[P-010-A] 薬剤師の服薬フォローアップが減薬提案につながった一例
【目的】2020年9月の改正薬機法施行により、来局時のみでなく服用期間を通して、薬の使用状況の確認や服薬指導を行うことが薬剤師の義務として明確化された。一方、ポリファーマシーは、多剤服用による薬物有害事象のリスク増加等の問題につながる状態のことであり、薬剤師には薬物療法適正化の支援を行うことが求められている。今回は予め来局時に減薬意向があると確認できた患者に対し、電話による服薬フォローアップ(FU)を実施し減薬に至った事例を報告する。
【症例】内服薬10種類服用、朝食後の服用錠数が11錠の80歳代男性。本人来局時に減薬意向を確認したが、減薬した場合の症状悪化に不安があると訴えがあり、定期的なFUを開始(day1)。その後、ご家族のみの来局が続き、処方変更はなかった。day68にFUを実施した際に、嚥下しにくく、吐いてしまう事があると聴取。薬歴にてセレコキシブ錠及びレバミピド錠の服用経緯等を確認。2年前に骨折の痛みで追加になったが、現在は痛みがないと聴取したので整形外科の処方医へトレーシングレポート(TR)にて減薬提案を行った。さらに、家族来局の為調剤時には確認が難しかった採血結果についてもあわせて聴取したところ、Hb濃度が14.1g/dLと確認し、クエン酸第一鉄ナトリウム錠の減薬を内科処方医にTRで提案した。結果、次回診察時に上記3種類の薬剤は中止になった。服用薬の規格変更も伴い、day84で朝食後の服用錠数は6錠となった。その後、痛みや血液検査の悪化は見られず、追加処方もなく継続。薬を吐き出すなど、コンプライアンス低下につながるような訴えは無くなり、患者の服薬負担も軽減されたと確認した。
【考察】今回の症例における減薬提案は、患者来局時の情報聴取だけでなく、FUが要因となったことは明らかである。来局時に採血結果やお薬手帳を忘れた患者でも、必要な情報を聴取することで減薬提案につながったと考える。
【症例】内服薬10種類服用、朝食後の服用錠数が11錠の80歳代男性。本人来局時に減薬意向を確認したが、減薬した場合の症状悪化に不安があると訴えがあり、定期的なFUを開始(day1)。その後、ご家族のみの来局が続き、処方変更はなかった。day68にFUを実施した際に、嚥下しにくく、吐いてしまう事があると聴取。薬歴にてセレコキシブ錠及びレバミピド錠の服用経緯等を確認。2年前に骨折の痛みで追加になったが、現在は痛みがないと聴取したので整形外科の処方医へトレーシングレポート(TR)にて減薬提案を行った。さらに、家族来局の為調剤時には確認が難しかった採血結果についてもあわせて聴取したところ、Hb濃度が14.1g/dLと確認し、クエン酸第一鉄ナトリウム錠の減薬を内科処方医にTRで提案した。結果、次回診察時に上記3種類の薬剤は中止になった。服用薬の規格変更も伴い、day84で朝食後の服用錠数は6錠となった。その後、痛みや血液検査の悪化は見られず、追加処方もなく継続。薬を吐き出すなど、コンプライアンス低下につながるような訴えは無くなり、患者の服薬負担も軽減されたと確認した。
【考察】今回の症例における減薬提案は、患者来局時の情報聴取だけでなく、FUが要因となったことは明らかである。来局時に採血結果やお薬手帳を忘れた患者でも、必要な情報を聴取することで減薬提案につながったと考える。