[P-015-C] 認知症の疑いがある患者においてポリファーマシーの解消に至った一例
【目的】
2025年には認知症患者が700万人になると予測されており、医療費高騰や治療遅延によるQOL低下が懸念される。今回、認知症の疑いで薬識が乏しく、服薬状況が悪い患者の服用薬を整理した結果、ポリファーマシーの解消に至った事例を紹介する。
【事例】
Aさん80歳代。初回来局(Day0)、降圧剤、抗血栓薬、睡眠薬等10剤の処方箋受付。投薬時の会話は問題なく、継続薬であったため投薬。Day12予定より早く来局。残薬を確認するも紛失したとの訴え、服薬指導の際、薬の名前を覚えていないものがあり、会計時にうまくお釣りの計算ができないことや前回薬局に忘れ物をしたこともあり、認知症の疑いを考えた。改めてAさんと服用薬を相互確認したところ2種の薬を知らないと仰せ、処方医に服薬状況を情報共有したところ、睡眠薬、胃粘膜保護剤2種が削除となった。Day42来局、薬剤減量後も体調変化がないことを確認。その際、家族状況等も確認したところ、夫婦で2人暮らしだが、配偶者Bさんが転倒による怪我で入院とのことだった。忘れ物があった際、Aさんの子Cさんと話す機会があり、連絡をとることが可能だったので、一連の状況をCさんに連絡。Day54近くの認知症専門病院を受診され、メマンチンの服薬が開始。中等度以上のアルツハイマー認知症であることが推察され、地域包括支援センターケアマネジャーとも連携し、デイサービスや在宅等を含め検討することとなった。
【考察】
保険調剤は、患者情報等及び処方内容を踏まえた上で、調剤の妥当性を判断する必要があるが、通り一辺倒の対応では、超高齢社会が進む中で、本当の意味での医薬品適正服用にはつながらない。今回のように患者に係る地域の医療者が常にアンテナをはって、見守りの意識をもって患者にかかわることが、患者にとっての治療効果を最大限に引き出すことができ、結果、医療費削減や治療遅延の防止につながると考えている。
2025年には認知症患者が700万人になると予測されており、医療費高騰や治療遅延によるQOL低下が懸念される。今回、認知症の疑いで薬識が乏しく、服薬状況が悪い患者の服用薬を整理した結果、ポリファーマシーの解消に至った事例を紹介する。
【事例】
Aさん80歳代。初回来局(Day0)、降圧剤、抗血栓薬、睡眠薬等10剤の処方箋受付。投薬時の会話は問題なく、継続薬であったため投薬。Day12予定より早く来局。残薬を確認するも紛失したとの訴え、服薬指導の際、薬の名前を覚えていないものがあり、会計時にうまくお釣りの計算ができないことや前回薬局に忘れ物をしたこともあり、認知症の疑いを考えた。改めてAさんと服用薬を相互確認したところ2種の薬を知らないと仰せ、処方医に服薬状況を情報共有したところ、睡眠薬、胃粘膜保護剤2種が削除となった。Day42来局、薬剤減量後も体調変化がないことを確認。その際、家族状況等も確認したところ、夫婦で2人暮らしだが、配偶者Bさんが転倒による怪我で入院とのことだった。忘れ物があった際、Aさんの子Cさんと話す機会があり、連絡をとることが可能だったので、一連の状況をCさんに連絡。Day54近くの認知症専門病院を受診され、メマンチンの服薬が開始。中等度以上のアルツハイマー認知症であることが推察され、地域包括支援センターケアマネジャーとも連携し、デイサービスや在宅等を含め検討することとなった。
【考察】
保険調剤は、患者情報等及び処方内容を踏まえた上で、調剤の妥当性を判断する必要があるが、通り一辺倒の対応では、超高齢社会が進む中で、本当の意味での医薬品適正服用にはつながらない。今回のように患者に係る地域の医療者が常にアンテナをはって、見守りの意識をもって患者にかかわることが、患者にとっての治療効果を最大限に引き出すことができ、結果、医療費削減や治療遅延の防止につながると考えている。