第18回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Sun. Nov 3, 2024 1:00 PM - 1:40 PM ポスター会場 (5階 501+502)

[P-016-A] トレーシングレポートを活用した医師への処方提案の現状と考察

市村 太秀1, 稲積 知詠子1, 三浦 紗代1, 原 彰子1, 酒井 絵里1, 島田 喬2 (1.アポクリート(株)薬局アポック川越中央店, 2.第四事業部首都圏第二ブロック)

【目的】
保険薬局と医療機関との情報共有のためにトレーシングレポート(以下、TR)は欠かせないツールとなっている。外来患者のアドヒアランス向上および医療の質を上げるため、提出したTRが処方にどのように反映されたか調査した。また提案及び報告した内容が処方に反映された事例を精査し、より質の高い医療連携を行うための課題を抽出した。
【方法】
2023年1月1日から2023年12月31日の期間に当薬局から医療機関に提出したすべてのTRを対象に次回処方箋受付時に処方内容に反映されたかどうかを確認し、その内容を精査した。なお、TR提出後に来局されなかった事例は除外した。
【結果】
調査期間中、提出したTRは125件であった。そのうち、処方変更有りが39件(31%)、処方変更無しが86件(69%)であった。項目別では、提出件数が多い順に、服薬状況とそれに関する指導内容28件(変更率21%)、症状・体調変化に関する情報26件(変更率31%)、副作用の発現もしくは疑い12件(変更率58%)、一包化調剤情報12件(変更率33%)、残薬調整に関する情報10件(変更率60%)、その他37件(変更率22%)であった。
【考察】
服薬状況や症状・体調変化に関するTRは、処方変更率は高くないが提出件数が多かった。患者の聞き取りを丁寧に行うことで軽微な体調変化も確認することができ、医師への報告につながったと考えられる。その中でも、睡眠や便秘に関する訴えなどQOL低下に関わる報告が処方変更に至った事例があった。その一方で、提案したものの処方変更とならなかったTRも多かったことから、今後は提案の根拠を簡潔かつ具体的に記載できるようTRを読みやすい形式に変更し、より専門的で継続的な服薬指導や薬学管理ができるようにしたい。