第18回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 3, 2024 1:50 PM - 2:30 PM ポスター会場 (5階 501+502)

[P-017-B] 口腔機能低下予防を目的とした高齢者の歯科受診に関する現状調査

古田 裕貴1,2,3,4,5, 神谷 誠2, 西村 拓也3, 小西 怜哉4, 藤原 崇5 (1.総合メディカル・ファーマシー中部(株)ハロー薬局 田瀬店, 2.白川店, 3.加子母店, 4.くりの木薬局, 5.総合メディカル・ファーマシー中部(株))

【目的】高齢者の口腔機能の低下が進むと、咬合力低下、舌運動機能低下に伴う低栄養、サルコペニアのリスクが高まる。予防策として定期的な歯科受診が求められるが、薬局を利用する高齢者の歯科受診の正確な実態が把握できていない現状である。岐阜県東濃地区に位置する総合メディカル・ファーマシー中部(以下、SMPC)の薬局で、高齢者のオーラルフレイル予防に介入することを目的に、来局した高齢患者の口腔機能の状態と歯科受診に対する患者の意識について調査を行った。
【方法】2023年6月29日~7月5日の期間に、SMPC東濃地区3薬局に来局された75歳以上の患者を対象に口腔機能に関するアンケート調査を実施した。アンケートでは、日本歯科医師会の「オーラルフレイルのセルフチェック表」の8項目(合計点数0~11点で評価)と、患者意識に関する4項目を調査した。得られた結果より、口腔機能低下のリスクについて評価した。
【結果】116人から回答が得られた。そのうち受診勧奨対象となる「オーラルフレイルの危険性が高い(4点以上)」「オーラルフレイルの危険性あり(3点)」と評価された人は95人(82%)だった。患者意識調査項目としての「機会があれば歯科へ受診したい」と回答した人は68人(59%)だったが、そのうち11人は歯科受診のための交通手段を有していなかった。
【考察】今回、調査対象の高齢患者の8割以上は口腔機能が低下しており、受診勧奨が必要であることを確認できた。また、歯科受診をしない理由としては本人の認識不足の他、交通手段が乏しいという山間部特有の問題も明らかとなった。今後薬局薬剤師が介入するためには、医師・歯科医師との連携が重要であり、特に超高齢化が進む東濃地区の薬局が連携のモデルケースとなるよう、取り組みを進めていく必要があると考えた。今回の調査結果を各機関とも情報共有し、今後の連携構築の一歩にしたい。