第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2024年11月3日(日) 14:50 〜 15:20 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-018-C] かかりつけ薬剤師制度の利用有無と各種加算の算定状況に関するレセプトデータを用いた後ろ向きコホート研究

木下 直己1,2, 金野 夏子1,2, 小納谷 洋平1,2, 金指 伴哉1,2 (1.薬樹(株), 2.(株)プレサスキューブ)

【目的】本研究の目的は、かかりつけ薬剤師制度を利用している群と利用していない群を比較することで、対人業務の評価に関わる加算の算定状況を明らかにすることである。【方法】薬樹(株)が運営する保険薬局150店舗の、2023年4月1日~2024年3月31日の期間の匿名化レセプト請求データを用い、かかりつけ薬剤師制度を利用している群(症例群)とかかりつけ薬剤師制度を利用していない群(対照群)を抽出し、重複投薬・相互作用等防止加算、服用薬剤調整支援料、外来服薬支援料1の算定状況を1:3の傾向スコアマッチングを用いて比較を行った。【結果】かかりつけ薬剤師制度を利用している群(症例群)は5,241人であり、かかりつけ薬剤師制度を利用していない群(対照群)は15,723人であった。重複投薬・相互作用等防止加算(残薬調整に係るもの)の算定率は、症例群で13.7%、対象群では9.4%であった。オッズ比は1.53(p<0.05)であった。重複投薬・相互作用等防止加算(残薬調整に係るもの以外)の算定率は、症例群で10.5%、対照群で8.0%であった。オッズ比は1.35(p<0.05)であった。服用薬剤調整支援料1の算定率は、症例群で0.2%、対象群で0.0%であった。オッズ比は4.81(p<0.05)であった。服用薬剤調整支援料2の算定率は、症例群で1.0%、対照群で0.2%であった。オッズ比は6.17(p<0.05)であった。外来服薬支援料1の算定率は、症例群で1.8%、対照群で0.9%であった。オッズ比は2.05(p<0.05)であった。症例群は対照群に対して、各調剤行為において対照群に比べて算定率が高かった。【考察】かかりつけ薬剤師制度を利用している群は、かかりつけ薬剤師制度を利用していない群に比べて薬学的管理がより実施され、結果として有害事象のリスク軽減や服薬アドヒアランスの向上などにつながっている可能性が示唆された。