第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2024年11月3日(日) 13:00 〜 13:40 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-019-A] 服用薬剤調整支援料と対人業務加算に関する症例対照研究

小納谷 洋平1,2, 木下 直己1,2, 金野 夏子1,2, 金指 伴哉1,2 (1.薬樹(株), 2.(株)プレサスキューブ)

【目的】2018年度より薬剤師によるポリファーマシーに関する加算として服用薬剤調整支援料が新設された。しかし厚生労働省の2021年度調査報告によると、約半数の薬局において本算定が取得されていない現状がある。そこで本研究では、服用薬剤調整支援料と対人業務の評価に関する加算(以下対人業務加算)の算定状況との関連を明らかにし、ポリファーマシー解消への取り組みを推進することを目的とする。【方法】薬樹(株)が運営する保険薬局150店舗の2023年5月~2024年4月の期間の匿名化レセプト請求データを用い症例対照研究を行った。服用薬剤調整支援料を算定した患者を症例群、算定していない患者を対照群として、各対人業務加算を算定した患者と算定していない患者について、1:3の傾向スコアマッチングを行い比較した。統計解析には、「EZR ver1.63」を使用し、ロジスティック回帰分析を通じて各変数の関連性を評価し、結果はオッズ比を用いて示した。【結果】服用薬剤調整支援料を算定した群(症例群)は478人であり、算定していない群(対照群)は1,434人であった。重複投薬・相互作用等防止加算(残薬調整を伴うもの)の算定率は、症例群で23.8%、対象群では14.4%であり、オッズ比は1.86(p<0.05)であった。在宅患者調剤加算の算定率は、症例群で50.0%、対象群では18.3%であり、オッズ比は4.47(p<0.05)であった。かかりつけ薬剤師指導料の算定率は、症例群で17.6%、対象群では10.9%であり、オッズ比は1.73(p<0.05)であった。服薬情報等提供料の算定率は、症例群で10.3%、対象群では6.5%であり、オッズ比は1.65(p<0.05)であった。【考察】今回の結果より、服用薬剤調整支援料を算定した群では、対人業務加算との関連が示唆された。各対人業務と合わせて服用薬剤調整支援料の取り組みを進めることがポリファーマシー解消につながっていくものと思われる。