第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2024年11月3日(日) 14:50 〜 15:20 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-021-C] 緊急避妊薬に対する薬局薬剤師の意識に関する横断的研究

市川 雄太1, 井上 奏2, 夏目 智美3, 山口 裕美4 (1.クオール(株) クオール薬局小倉店, 2.(株)共栄堂 ホーム調剤薬局, 3.クオール薬局船橋店, 4.クオール飯田薬局)

【目的】
約90か国では緊急避妊薬を処方箋なしで入手できるが日本ではまだ処方箋が必要である。薬局薬剤師を対象に緊急避妊薬の認識を調査したSuzukiやKubotaの報告では35~45%の薬剤師が市販化に反対していることが明らかになっている。これらの先行研究は2020年から2021年に実施されており、最新の薬局薬剤師による認識は不明である。そこで、本研究では当薬局グループにおける緊急避妊薬の認識を調査することとした。
【方法】
2023年10月1日から10月14日の期間、当薬局グループに所属する薬剤師を対象に、緊急避妊薬に関連したアンケートを実施した。アンケート内容は、回答者の基本情報に加えて、緊急避妊薬への知識や不安、市販化の是非などを含めた。得られたデータを要約するとともに市販化に否定的な要因をロジスティック回帰分析にて解析した。
【結果】
期間中1464名の回答が得られた。緊急避妊薬の市販化に否定的な薬剤師は334名(22.8%)であり、要因としては年齢が50代、緊急避妊薬への関心のなさであった。緊急避妊薬を調剤することに対しては、産婦人科領域の知識不足と心理面のサポートへの不安が多かった。
【考察】
市販化に否定的な薬剤師の割合は先行研究と比較すると低かった。これは調査時期による可能性があり、年々、薬剤師の緊急避妊薬への認識が変わっていているのではないかと考えられる。また産婦人科領域の知識不足と心理面のサポートについてはまだ不安をもっている薬剤師も多いため、勉強会や研修などを実施して理解を深めていく必要がある。