[P-022-A] 減薬に対する患者の意識調査
【目的】近年問題となっているポリファーマシーの解消を評価する服用薬剤調整支援料の要件として、患者の減薬の意向があるが、減薬を希望する患者の傾向やその理由は明らかになっていない。本研究は、減薬に対する患者の意識調査・アドヒアランス等の調査を行い、その傾向・患者の減薬希望理由について明らかにすることを目的とする。【方法】(株)ツルハグループドラッグ&ファーマシー西日本の26薬局(A県・B県・C県・D県・E県)で内服薬を6種類以上服薬している患者を対象に減薬希望の有無やその理由等のアンケートを行った。期間はA県・B県:2022年10月21日~2022年11月20日、C県・D県・E県:2023年2月7日~2023年3月6日。統計解析はRを用い、片側検定で有意水準は5%とした。【結果】アンケートは調査の参加に同意を得られた86名に配布し、記載上不備のあった6件を除き80件を解析対象とした。減薬希望は49件、減薬を希望しないは21件だった。減薬希望の理由として、飲む薬が多くて負担に感じている、減薬を希望しない理由として、必要な薬と理解している、今の数で慣れているが多かった。30-50代の群と60代以上の群を比較すると、60代以上の方が減薬希望の傾向があった(p<0.05)。30-60代の群と70代以上の群を比較すると、70代以上の方が服用薬に対する理解度が低く、コンプライアンス不良の傾向があった(p<0.05)。減薬希望の群と減薬を希望しない群を比較すると、減薬希望の方が服用薬に対する理解度が低い傾向があった(p<0.05)。【考察】60代以上はそれ以下の年代と比較して減薬を希望する傾向があるため、高齢者への減薬希望の聴取は有効であると考えられる。一方で、減薬希望患者は服用薬に対する理解度が低い傾向があるため、減薬希望患者に対してはその理由を聴取した上で服薬の必要性を薬剤師が指導することで、より良い服薬支援・適切な減薬に繋がると考えられる。