第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2024年11月3日(日) 14:50 〜 15:20 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-024-C] あおば薬局前橋店における情報提供書がポリファーマシーに与える効果の検討

稲川 好, 松本 律子, 伊平 真之 (あおば薬局前橋店)

【目的】
当薬局では以前よりポリファーマシー解消に向けて取り組んできた。医師に情報提供書を提出し、その経過を追い、減薬されたか確認している。これまでを振り返って、情報提供書の件数、患者の症状の変化、服薬数の調査から、ポリファーマシーに与える効果について検討する。
【方法】
2020年4月から2023年9月までの減薬提案をおこなった情報提供書について調査。減薬提案した情報提供書の件数、減薬提案した薬剤、減薬された薬剤、患者の年齢、服薬数を調査し、経過を確認した。
【結果】
調査期間で減薬提案の情報提供書は154件あった。その中で医師が提案通りに減薬したのは32%だった。提案した薬剤数は285あった。多かったのが、整腸剤や下剤、消化器系の薬剤で28品目102件だった。続いて、精神系の薬剤が15品目26件、ビタミン剤が9品目25件だった。他にも糖尿病薬、骨粗鬆症治療薬、鎮痛薬などの提案があった。年齢層は30歳代から100歳以上と幅広かったが、80歳代が59人と最も多く、70歳代から90歳代で全体の83%を占めた。減薬した後も症状に問題なく、減薬したまま継続できている症例が80%だった。それ以外には薬が追加になった症例、来局がなく追跡不能となった症例があった。
【考察】
医師に情報提供書を提出することで、減薬に繋がっていくことが確認できた。ひとつの情報提供書で、複数の薬剤について減薬提案しているものもあったため、情報提供書の件数より、減薬提案した薬剤数が多くなっている。減薬後、特に問題の無い症例が多かったことは、その分無駄な薬を継続していた可能性があるともいえる。多剤服用によって、相互作用や副作用の可能性も高くなり、医療費も嵩むことになってしまう。そうならないためにも患者との対話を大切にし、ポリファーマシー解消に向けて引き続き取り組んでいきたい。