第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2024年11月3日(日) 13:50 〜 14:30 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-026-B] かかりつけ薬剤師による服薬フォローアップにより患者QOLが改善した事例

平沢 賢人 ((株)ココカラファインヘルスケア ココカラファイン薬局杉並堀ノ内店)

【目的】
本症例は対人トラブル、逆流性食道炎の再発により不安症が悪化した患者に対し、かかりつけ薬剤師が服薬フォローアップ、受診勧奨等を行い不安症・逆流性食道炎の改善並びに減薬に繋がった症例である。かかりつけ薬剤師の役割により患者のQOLが改善した症例を報告する。
【事例】
70歳代女性、既往歴:不安症・脂質異常症・高血圧・逆流性食道炎元々不安症・逆流性食道炎があり定期的に心療内科・内科を受診し、デュロキセチン、他7種類を服用。心身ともに状態は安定していた。X年秋頃から対人トラブルから不安症が悪化。同時期に逆流性食道炎の症状も悪化。精神的に辛い状態が続きX年12月にゾルピデム X+1年3月にロラゼパムが追加になった。医師の指示より多く飲みたいという相談を度々うけ、傾聴しながら薬剤の増量は出来ない事を伝え、用法・用量を守るよう説明。定期的に電話にて服薬状況や心身状態を確認するようになった。半夏厚朴湯、抑肝散の追加を提案したが改善せず、アミトリプチリンが追加になった。セカンドオピニオンとして薬局の近隣の消化器内科を紹介しX+1年6月から受診。薬が変更になり9月に逆流性食道炎は緩解状態になった。また同時期にアミトリプチリンからイミプラミンへの変更を病院に提案。11月から少しずつ不安症が改善されてきたことを患者から聴取。薬局への相談回数も減少。X+2年1月から少しずつ減薬、抗不安薬・抗精神病薬等を6種類服用していた状態からX+2年5月にはデュロキセチンとイミプラミンの2種類になった。
【考察】
かかりつけ薬剤師として処方箋応需時以外にも密に連携を取り患者フォローアップを行った結果、患者の不安を取り除くことができ、オーバードーズを防ぐことができた。また、減薬、患者のQOL改善に繋げることができた。適正な薬物治療や患者QOLを上げる為には、かかりつけ薬剤師として必要時に電話などでフォローアップすることが肝要であると考える。