第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2024年11月3日(日) 13:00 〜 13:40 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-034-A] かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師が介入を行う際のかかりつけ薬剤師との情報共有の実態調査

長野 祐希1, 内田 乙海2, 木下 真一3 (1.総合メディカル(株)そうごう薬局 行橋駅前店, 2.八屋店, 3.総合メディカル(株))

【目的】2022年度調剤報酬改定で、かかりつけ薬剤師と連携する他の薬剤師(以下、連携薬剤師)が服薬指導した場合の評価として「服薬管理指導料の特例」が新設された。しかし、かかりつけ薬剤師と連携薬剤師の情報共有方法について、具体的な見解は示されていない。今回、かかりつけ薬剤師と連携薬剤師の情報共有方法について有用な知見を得ることを目的に、連携薬剤師が関わった事例について調査した。
【方法】2023年3月1日~6月30日の間、行橋地区のそうごう薬局7薬局に来局した患者を対象に、連携薬剤師が薬物療法の問題点を把握し、医師への疑義照会や情報共有・処方提案などを行った事例を収集した。さらに事例について、かかりつけ薬剤師との情報共有の状況、医師への情報共有・処方提案の方法と内容、処方提案をしていた場合はその結果を調査した。
【結果】今回、18件の事例を収集した。15件について、医師への情報共有・処方提案などを行う前に連携薬剤師とかかりつけ薬剤師が提案内容について協議していた。さらに、そのうち3件で、患者応対前の協議が疑義照会(2件)に、患者応対中の協議が受診勧奨(1件)に繋がっていた。一方、患者応対後に協議した12件では、トレーシングレポートを通して医師への処方提案や情報共有を実施しており、そのうち6件で処方変更に繋がっていた。
【考察】今回の調査により、連携薬剤師が薬物療法上の問題点に気づいた場合、そのほとんどにおいてかかりつけ薬剤師と協議した後に対応していたことが明らかとなった。このことから、かかりつけ薬剤師と連携薬剤師の情報共有は協議のような双方向性のものが有効であることが示唆された。一方で、リアルタイムに協議が必要な事例もあったため、かかりつけ薬剤師と即時協議することが難しい状況でも、連携薬剤師が適切なアセスメントを行える情報共有の方法について更なる検討が必要と考える。