[P-036-C] 生活習慣病治療薬を服用する患者の服薬への不安に影響する因子の分析
【目的】生活習慣病等の慢性疾患では、自覚症状の乏しさ等に起因する服薬アドヒアランスの低下が課題である。服薬への不安はさらなるアドヒアランスの低下につながることが懸念されるが、その傾向は患者特性によって異なる可能性が考えられる。そこで生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)治療薬を服用する患者の不安傾向を調査し、薬局薬剤師が果たすべき役割を考察した。
【方法】2024年4月11日から6月4日にアイン薬局遠軽店に来局した成人患者のうち、個人情報の取扱いを含む研究内容に同意した患者を対象に「漠然とした服薬への不安(以下、服薬不安)」と「詳細5項目(「効果」「安全性」「品質」「治療費」「服用タイミング」)への不安」の程度を5段階で回答するアンケートを行った。結果は処方データ(YJコード3桁にて分類)と紐づけ、降圧薬、脂質異常症治療薬(以下、抗DL薬)および糖尿病治療薬(以下、抗DM薬)を服用している回答者を特定した。上記3薬剤の服用患者毎にCS分析を行い、「服薬不安」と「詳細5項目への不安」との関連を評価した。その際、各薬剤を重複服用している回答者の回答重複は許容した(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0236)。
【結果】有効回答者81名における降圧薬、抗DL薬、抗DM薬の服用患者は、それぞれ31名(38.3%)27名(33.3%)、12名(14.8%)であり、降圧薬と抗DM薬では「品質」が、抗DL薬では「効果」「副作用」が「服薬不安」との関連性が強かった。
【考察】本研究から、「効果」「副作用」が把握しやすい降圧薬や抗DM薬では、長期間の服薬に対する「品質」が、「効果」「副作用」を認識しづらい抗DL薬ではこれらが「服薬不安」に強く影響する可能性が示唆された。薬局薬剤師は、服用薬や患者の特性に応じてアドヒアランスの低下に繋がる服薬不安への影響因子が異なる可能性を理解し、患者状況に合わせて啓発することが重要と考えられる。
【方法】2024年4月11日から6月4日にアイン薬局遠軽店に来局した成人患者のうち、個人情報の取扱いを含む研究内容に同意した患者を対象に「漠然とした服薬への不安(以下、服薬不安)」と「詳細5項目(「効果」「安全性」「品質」「治療費」「服用タイミング」)への不安」の程度を5段階で回答するアンケートを行った。結果は処方データ(YJコード3桁にて分類)と紐づけ、降圧薬、脂質異常症治療薬(以下、抗DL薬)および糖尿病治療薬(以下、抗DM薬)を服用している回答者を特定した。上記3薬剤の服用患者毎にCS分析を行い、「服薬不安」と「詳細5項目への不安」との関連を評価した。その際、各薬剤を重複服用している回答者の回答重複は許容した(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0236)。
【結果】有効回答者81名における降圧薬、抗DL薬、抗DM薬の服用患者は、それぞれ31名(38.3%)27名(33.3%)、12名(14.8%)であり、降圧薬と抗DM薬では「品質」が、抗DL薬では「効果」「副作用」が「服薬不安」との関連性が強かった。
【考察】本研究から、「効果」「副作用」が把握しやすい降圧薬や抗DM薬では、長期間の服薬に対する「品質」が、「効果」「副作用」を認識しづらい抗DL薬ではこれらが「服薬不安」に強く影響する可能性が示唆された。薬局薬剤師は、服用薬や患者の特性に応じてアドヒアランスの低下に繋がる服薬不安への影響因子が異なる可能性を理解し、患者状況に合わせて啓発することが重要と考えられる。