第18回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

Sun. Nov 3, 2024 1:50 PM - 2:30 PM ポスター会場 (5階 501+502)

[P-038-B] 薬剤師の専門性および多職種連携による職能発揮が患者の薬局選択意識に与える影響について

中村 優花, 竹内 舞, 望月 絵理, 原 智子 ((株)クリエイトエス・ディー クリエイト薬局 八王子堀之内店)


【目的】厚生労働省による「患者のための薬局ビジョン」では、処方箋を持参する薬局は患者の自由意思により決定可能とされる。当薬局は、認知症研修認定薬剤師(以下、認薬)や連携する管理栄養士等の専門性を活かした様々な機能を有する。これらの機能が患者のQOLに対して役立つものであるかを探るべく、患者が当薬局を選択する理由を調査し、薬剤師の専門性や多職種連携の重要性について検証した。
【方法】2024年3月9日~5月18日の来局患者に対して、令和4年度厚生労働省保険局医療課委託調査「薬局の機能に係る実態調査」の「患者が薬局を選択する理由」(以下、厚労調査)の選択項目に当薬局独自の選択項目(以下、独項)を加えアンケート調査実施(複数選択可、自由記述あり)。厚労調査との比較等行い考察した。(日本薬局学会倫理審査委員会承認:24004番)
【結果】224名回答取得。厚労調査では「以前から利用」50%「病院から近い」48.8%、当薬局では「病院から近い」90.2%「病院としっかり連携」75.9%の順に多かった。「認薬が在籍(独項)」18.3%(41名)全員が「信頼できる薬剤師」「話しやすい薬剤師」を併せて選択、速やかな問題解決、認知症について医師と連携、家族を支援、安心感、等コメントあり。「個別栄養相談会実施(独項)」11.6%、食事療法に繋がった等コメントあるも具体的成果の記載がなかった。
※アンケート期間の抗認知症薬処方患者9名
【考察】門前医との綿密な連携が示唆され、管理栄養士との協働にも期待の声は得られたが、栄養指導後のフォローアップ体制構築が課題となった。一方で、認知症者・家族のみならず、現在認知症治療と関連のない患者も認薬在籍を来局理由としている可能性があり、将来の認知症への不安とともに認知症の身近な相談先確保への希求が窺えた。多面的かつ専門的な薬局機能は患者への多様な介入を可能とし、安心や信頼を生み、継続的な患者支援の実現に寄与すると考えられる。