第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2024年11月3日(日) 14:50 〜 15:20 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-039-C] 外来がん化学療法に対応する薬局薬剤師の自信につながる要因分析

水尾 歩香1, 伊藤 将2, 市ノ渡 真史2, 長谷川 佳孝2, 月岡 良太2, 大石 美也2 (1.アイングループ (株)アインファーマシーズ アイン薬局 旭川曙店, 2.(株)アインホールディングス)

【目的】安全かつ効果的な外来がん化学療法において薬局薬剤師による服薬フォローアップ(以下、FU)の実施やトレーシングレポート (以下、TR) による医療連携の有用性が報告されている。そこで、これらの更なる活性化に向けてFU実施やTR提出の自信につながる要因を調査し、薬局薬剤師が強化すべき事項を明らかにすることを目的とした。
【方法】2024年3月18日~4月11日に当社グループが北海道で運営する保険薬局の薬局薬剤師を対象としたアンケートを実施した。その際、がん関連専門資格を有する薬剤師を対象外とした。アンケートでは、外来がん化学療法における「FU実施の自信」「TR提出の自信」「薬学的管理の自信」「自己研鑽状況」「検査値等の事前の情報把握」「医療機関とのカンファレンス等の実施」について5段階評価で回答を得て、パス解析でこれらの関係性を検討した。また「薬学的管理の自信」については、さらに「副作用評価」「支持療法理解」等の5要素に分けて5段階評価で回答を得て、CS分析で「FUの自信」「TRの自信」との関係性を評価し強化すべき項目を検討した(承認番号:AHD-0223)。
【結果】46名から有効回答を得た。パス解析より「FUの自信」は「TRの自信」の影響を受け、「TRの自信」は「薬学的管理の自信」の影響を受けることが示唆された。また、「薬学的管理の自信」には「自己研鑽状況」が最も影響する可能性が示された。さらにCS分析より「TRの自信」の向上にむけて「副作用評価」「支持療法理解」を強化すべきであることが示唆された。
【考察】薬局薬剤師の「FUの自信」「TRの自信」を高めるためには「薬学的管理の自信」の向上が必要であり、特に「副作用評価」「支持療法理解」の強化が必要であると考えられた。本研究の知見を踏まえ、がん化学療法における「副作用評価」や「支持療法理解」の強化を目指した研修等の実施が安全かつ効果的な外来がん化学療法の実践に向けて有用と考える。