第18回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2024年11月3日(日) 13:00 〜 13:40 ポスター会場 (5階 501+502)

[P-040-A] かかりつけ薬剤師として副作用の発見及びコンプライアンス向上に寄与した1例

竹本 千織1, 山邑 真二郎2 (1.ウエルシア薬局(株)ウエルシア薬局奈良六条店, 2.ウエルシア薬局四條畷岡山店)

【目的】近年、薬局薬剤師は、かかりつけ機能が求められており、患者の一元的で継続的な薬学的管理が期待されている。当店でも、かかりつけ薬剤師の活動に力を入れており、かかりつけ薬剤師として患者に接することも多い。今回はかかりつけ薬剤師として副作用の早期発見やコンプライアンスの向上に寄与できた症例について報告する。
【症例】80歳代女性。心配性で、週に2、3回日常の不安や心配事の相談を受けている。X年6月、骨密度低下によりアレンドロン酸錠5mgが開始となった。毎朝夫の朝食を作りながらの服薬は大変かと思い話を伺うと、毎日の服薬忘れと顎骨壊死についての心配を訴えられたため処方医へ週1回のアレンドロン酸錠35mgの提案と患者へ歯科の受診勧奨を行った。結果薬剤の変更はなかったが、相談に乗ったことで副作用への不安が解消され、服用を継続することができた。
X年7月、足のむくみを主訴とし五苓散の服用が開始となったが1ヶ月後、頻尿を訴えられたため、副作用疑いで服用中止となった。足のむくみは改善が見られず常時に比べ歩きづらそうにしていたため、一般用医薬品併用の助言・運動療法を始めとする生活指導を実施した結果、自覚症状が消失した。
X+1年1月、患者より急に口渇が強くなり食欲が低下したと訴えがあった。かかりつけ薬剤師として薬の一元管理を行っていたため、すぐに他薬局で調剤されていたソリフェナシン錠が口渇の原因薬剤の可能性があると考えた。そこで、ソリフェナシン錠の中止を処方医に提案、結果中止となった。中止後に口渇症状は治まり食欲低下も改善した。
【考察】かかりつけ薬剤師として患者に寄り添うことで相談される機会が増えた。また、一元的で継続的な薬学的管理ができたことで、副作用の早期発見やコンプライアンス向上に繋がった。かかりつけ薬剤師として患者に接することは、薬物療法の安全性及び有効性が向上しQOL改善に繋がることが期待される。