[P-042-C] 大腸がん患者におけるフォローアップの強化による副作用軽減事例
【目的】2020年に連携充実加算が新設され、外来における抗がん剤治療の質の向上が求められている。そのため、薬局にレジメン等の情報を持参するようになり、注射剤のレジメンでも薬局薬剤師が介入する事が可能となった。今回、mFOLFOX6療法に対し、電話フォローアップを行い、複数の処方提案を通じて副作用軽減に繋がった症例を経験したため報告する。
【症例】50歳代、女性、直腸がん、ステージII術後化学療法としてmFOLFOX6療法を開始した患者に対し、点滴開始後10日目に電話にてフォローアップを実施した。消化器症状に伴う食欲減退、口内炎、冷感刺激、便秘といった副作用を聴取した。これを受け、制吐剤、含嗽液、緩下剤を提案し、2クール目には、アズレンスルホン酸含嗽用液4%、センノシド錠12 mg、メトクロプラミド錠5 mg、デキサメタゾン口腔用軟膏0.1%が処方追加となった。8日後のフォローアップでは、1クール目で見られた副作用が軽快されていた。
【考察】本症例を通じて、患者への継続的なフォローアップと適切な支持療法の強化が副作用の増悪を抑制し、治療継続を可能とする重要な要素であることが示唆された。また、医療機関からの定期的な情報提供書を活用することで、フォローアップや情報提供書の質が向上し、患者の治療負担を最小限に留めながら外来での抗がん剤治療の質を高めることができると考えられる。今後も質の高いフォローアップの継続を通じて、患者支援の更なる強化が求められる。