[P-045-C] モバイルファーマシーに関する文献レビュー
【【目的】モバイルファーマシー(MP)のより有効な活用法について考察を行うことを目的として、MPに関する文献レビューを実施した。【方法】PubMedおよびGoogle Scholarを検索データベースとして利用した。検索期間は期間指定なし(~2024年5月18日)とし、検索語はPubMedでは「mobile pharmacy (mesh terms) OR mobile pharmacy (text word)」、「 mobile pharmacy (mesh terms) AND disasters (mesh terms)」とし、Google Scholarの邦文用として「モバイルファーマシー + 災害」、英文用として「Mobile-pharmacy + disasters」とし、PDFとしてダウンロード可能である総説及び原著論文を調査対象とした。【結果】PubMedでは73報が該当し、合致する文献は9報(PDF 9報)。Google Scholarでは「モバイルファーマシー+災害」では53報が該当(PDF 47報)し、「Mobile-pharmacy + disasters」 では107報が該当(PDF 55報)。得られたPDF 111報のうち、総説9報及び原著論文25報が本テーマに合致。英文ではアメリカやウガンダなどからの報告があり、邦文では熊本地震や薬学教育に関する報告があった。【考察】海外報告では、自然災害に関する報告やウガンダでは医療にアクセスしにくいHIV感染患者に医薬品を届けるといった報告があり、活用のヒントが多くあった。演者らは、熊本地震にて実際にMPを活用し、有事での薬物療法継続に有用性を強く感じたが、活動報告の中には、災害援助者におけるMPの認知度の低さを指摘したものもあった。一方、能登半島地震では薬物療法中断を回避する上で重要な役割を担ったことで高く評価され、報道等により医療関係者をはじめ国民に広く知られることとなった。しかし、平時での活用法がまだ検証の域であり、災害薬学教育や遠隔医療への応用等への活用に加え、広報活動等への活用も検討し、MPの設計を再考する必要性もあると考えている。今後、それらを見据えたMPの作製を模索していきたい。