[P-060-C] 小児インフルエンザ患者における抗インフルエンザ薬のアドヒアランスと有効性を評価する前向き観察研究
【目的】
小児インフルエンザ患者における抗インフルエンザ薬の服薬状況と臨床効果の関連は明らかでない.第73回日本感染症学会東日本地方会学術集会では,抗インフルエンザ薬の確実な服用が早期症状快復に重要であることを報告した.本発表では事前規定された探索解析である,処方薬毎の服薬状況と服薬開始から症状快復までの期間(罹病期間)の評価を報告する.なお,咳及び鼻水/鼻づまりや体温が生活に支障を与えない程度になり一日以上継続した状態を快復とした.
【方法】
2024年1月~3月にクオール株式会社の所属薬局に来局し,抗インフルエンザ薬が処方された6~11歳の小児を対象に処方薬,服薬状況,症状をWEBアンケートにより前向きに調べた.処方薬に基づき薬剤群(バロキサビル:BXM,オセルタミビル:OTV,ラニナミビル:LNV,ザナミビル:ZNV)を定義した.薬剤を用法用量通り服薬した場合に服薬遵守,1回でも未服薬又は服薬できていない懸念がある場合に服薬不遵守と定義し,その理由を薬剤群別に集計した.加えて,服薬不遵守を含めた罹病期間を薬剤群別に算出した.
【結果】
解析対象例中,各薬剤の例数(うち服薬不遵守割合;%)はBXM群345(1.4),OTV群531(23.0),LNV群682(23.2),ZNV群121(32.2)であった.最も多い不遵守理由は,BXM群は「吐き戻しによる服薬懸念」,OTV群は「味の嫌悪による服薬不良」,LNV群,ZNV群は「キット使用方法の不安による服薬懸念」であった.罹病期間の中央値はBXM群で4.0日,他の群で5.0日であった.
【考察】
小児インフルエンザ患者において,吸入薬や複数回投与の薬剤では服薬不遵守割合が高く服薬不遵守に伴い処方薬の効果が十分に得られない可能性が示された.確実な服薬による症状の早期快復のためには薬剤師による服薬指導や,薬剤師と医師の連携による,患者の服薬能力を考慮した処方薬の選択が必要だと考える.
小児インフルエンザ患者における抗インフルエンザ薬の服薬状況と臨床効果の関連は明らかでない.第73回日本感染症学会東日本地方会学術集会では,抗インフルエンザ薬の確実な服用が早期症状快復に重要であることを報告した.本発表では事前規定された探索解析である,処方薬毎の服薬状況と服薬開始から症状快復までの期間(罹病期間)の評価を報告する.なお,咳及び鼻水/鼻づまりや体温が生活に支障を与えない程度になり一日以上継続した状態を快復とした.
【方法】
2024年1月~3月にクオール株式会社の所属薬局に来局し,抗インフルエンザ薬が処方された6~11歳の小児を対象に処方薬,服薬状況,症状をWEBアンケートにより前向きに調べた.処方薬に基づき薬剤群(バロキサビル:BXM,オセルタミビル:OTV,ラニナミビル:LNV,ザナミビル:ZNV)を定義した.薬剤を用法用量通り服薬した場合に服薬遵守,1回でも未服薬又は服薬できていない懸念がある場合に服薬不遵守と定義し,その理由を薬剤群別に集計した.加えて,服薬不遵守を含めた罹病期間を薬剤群別に算出した.
【結果】
解析対象例中,各薬剤の例数(うち服薬不遵守割合;%)はBXM群345(1.4),OTV群531(23.0),LNV群682(23.2),ZNV群121(32.2)であった.最も多い不遵守理由は,BXM群は「吐き戻しによる服薬懸念」,OTV群は「味の嫌悪による服薬不良」,LNV群,ZNV群は「キット使用方法の不安による服薬懸念」であった.罹病期間の中央値はBXM群で4.0日,他の群で5.0日であった.
【考察】
小児インフルエンザ患者において,吸入薬や複数回投与の薬剤では服薬不遵守割合が高く服薬不遵守に伴い処方薬の効果が十分に得られない可能性が示された.確実な服薬による症状の早期快復のためには薬剤師による服薬指導や,薬剤師と医師の連携による,患者の服薬能力を考慮した処方薬の選択が必要だと考える.